★阿修羅♪ > ニュース情報1 > 217.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
英の新法案 テロ予備軍を撲滅、訓練経験者も取り締まり
【ロンドン=蔭山実】ロンドン同時爆破テロを受けて英政府は、新たに制定を目指す反テロ法案の取り締まり対象に、軍事キャンプでテロリストの訓練を受けた者や訓練した者も含める方針を固め、野党側に打診した。さらにインターネットを使って爆発物の製造情報を入手することや、テロを間接的に扇動することも取り締まる方針だ。法案審議は今秋行われる予定だが、表現や思想の自由の制限にもつながりかねないため、論議を呼びそうだ。
英紙などによると、クラーク英内務相が十五日、野党に文書で送付した新たな反テロ法案の骨格では、「テロ予備軍」の撲滅に向け、これまでのようにテロを直接、扇動することを禁止するだけでなく、聖職者が自爆テロ犯を「殉教者」とたたえる説教を行うなど、間接的に扇動することも禁止するとしている。また、パキスタンやアフガニスタンなどの国際テロ組織の軍事キャンプなどで、訓練を受けることを禁じる。
さらにテロリストのサイトにアクセスして、爆発物製造に関する知識を得ることも訴追対象とし、新たな視点でテロを未然に防ぐための法体系を整備する。海外からのテロリストや要注意人物の英国入国を阻止するため、港湾の警備強化も図る方針だ。
クラーク内相は文書の中で「新法はテロに直接かかわることだけでなく、他人をテロに加担させることも取り締まるのが目的だ」と指摘。イスラム教徒の若者らが、テロの計画や実行にかかわるのをできるだけ早期に防ぐことを可能にしたいとの意向を示した。
新たな法律はイスラム過激派には、一切の寛容も認めないとするブレア首相の強い意向が反映されているとみられている。英政府は、これらの治安強化法案は、同時テロ以前から検討していたとも説明。週明けから与野党間で、法案の内容に関する協議に入る予定。
新法案はすでに下院では多数の支持を得られる見通しになっている。ただ、説教の内容だけでテロを扇動する意思があったかどうかを証明するのは容易ではない。さらに、上院でもこれまでも治安強化に関する法案に対しては慎重論が多く、審議は難航しそうだ。
(産経新聞) - 7月17日2時37分更新