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http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050715dde041040053000c.html
三重・熊野灘のタンカー衝突:「目の前に火柱」 旭洋丸乗組員、油の海へ脱出
濃い霧の立ちこめる洋上交通の要衝で、炎に包まれた船から乗組員が油の海に飛び込んだ−−。15日早朝、三重県尾鷲市沖の熊野灘で起きたタンカー同士の衝突事故。乗組員は海に飛び込んで懸命の脱出を図ったが、1人は死亡、5人の行方は分からないままだ。「目の前に火柱があった」と救助された乗組員は緊迫した事故当時の様子を語った。
現場付近は小型船を中心とする交通の要衝で、南北に進む船が東西に方向を変える「変針点」と呼ばれる地点。風や波は激しくなかったが、視界は極めて悪かった。重傷を負った「旭洋丸」の甲板手、長井義政さん(58)は船内の部屋で就寝から目覚めた直後にぶつかる音を聞いたという。部屋から外に出ると既に船内は火に包まれ、慌てて海の中に飛び込んだ。海には油が広がっており、海中から再び海面に出た時にやけどを負った。
一方、「日光丸」から救助された吉本美利船長(60)は「仮眠していたら大きな音がして目を覚ました。すぐさま甲板に駆け上がると、目の前に火柱が上がっていた」と事故直後の様子を語った。30〜40分間は消火活動をしたというが、炎は急速に広がった。「エンジンも止まり、相手の船の火がこちらに移ってきそうだったので、午前5時ごろ(他の乗組員4人と一緒に)海に飛び込んだ」と話した。
また「海中では乗組員5人がライフジャケットを着て浮輪を持ち、救命ボートにしがみついていた。45分ぐらい浮いていたところ助けられた」と振り返った。【七見憲一、鈴木顕、木村文彦】
◇都内の両船会社、情報収集を急ぐ
東京都内にある両船舶会社の事務所では、情報収集に追われた。旭洋丸が所属する世田谷区千歳台の「南洋海運」では、石原秀(まさる)会長(58)が第4管区海上保安本部と連絡を取る一方、坂間聡社長(42)を現地に派遣。石原会長は「佐藤船長はベテランで慣れているはずだったのに」と語った。
一方、「日光丸」が所属する光洋汽船は15日午前、中央区八丁堀の東京支店に小松義郎社長を本部長とする緊急対策本部を設置。秋元康司営業部長は「乗員5人全員が三重県尾鷲市内の病院に搬送されているが命に別条はない」と話した。【川辺康広、木村健二、井上英介】
毎日新聞 2005年7月15日 東京夕刊