★阿修羅♪ > 自然災害13 > 588.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: (政治板より転載)【東京新聞】政府が11億円無償援助(ジャワ島地震関連) 投稿者 どうして? 日時 2006 年 5 月 29 日 12:07:41)
ジャワ島地震 死者6000人超す 惨禍…国家一体
多民族・多宗教のインドネシア
【ジョクジャカルタ=藤本欣也】インドネシアのジャワ島地震は31日、死者が6234人に上った。ユドヨノ大統領は27日の地震当日に被災地入りし最前線で陣頭指揮を執るなど、政府側はこれまでにない危機感を示している。過去の災害と何が異なるのか。津波、地震と災害が続く中、多宗教、多民族のインドネシア社会にも変化が起きている。被災地を回った。
地震で多大な被害を受けたジョクジャカルタから車で西に約30分行ったところに、バントゥル県ゴデアン村がある。水田に囲まれた、のどかなこの村でも農家の壁が崩れる被害が出る中、びくともしない邸宅があった。同国で約30年間、政権の座にあったスハルト元大統領の実家である。
現在、84歳のスハルト氏は重い病気のためジャカルタで入退院を繰り返しており、実家には親族が住んでいた。めいのマミーさん(27)が「地元住民が困っているのだから当然のことです」と語るように、地震後は連日、即席ラーメンや米、毛布などをトラックに満載し、被災地の避難所に届けていた。一帯はスハルト氏の地盤なのである。
今回の地震の特徴はジャワ島が被災したことだ。災害はここ数年、2004年のスマトラ島沖地震、05年のニアス島地震とスマトラ島周辺に集中していた。
ジャワ島はスハルト氏のほか、スカルノ初代大統領や現在のユドヨノ大統領など、権力者を多数輩出した政治経済の中心地である。それだけに、支持率37%に低迷するユドヨノ政権にとって、「ジャワ島の支援策を誤ると求心力を一気に失う危険を伴っている」(外交筋)わけだ。
■□■
最大の被災地、バントゥルの救援センター前のグラウンドに、大きなテントが並ぶ。被災者の避難所や診療所だ。「ワルビ」というインドネシアの仏教団体が運営している。世界最大のイスラム人口を抱える同国で今、ひときわ目立つボランティア活動を行っているのが少数派の仏教徒なのである。
今回、世界遺産の仏教遺跡ボロブドールと、同じく世界遺産であるヒンズー教遺跡プランバナンが地震の影響を受けた。ジャカルタから来たワルビの女性幹部、アンドレアス・ナタさん(55)は「ボロブドールのすぐ近くで起きた地震だけに、仏教徒の関心が非常に高い」と語る。ヒンズー教団体もボランティア活動を展開中だ。
両遺跡は地震後もオープンを続けており、被災地を観光バスが走る異様な光景となっているが、それでも「団体客は激減し、1日1000人だった観光客が現在は200人程度」(ボロブドール遺跡の男性ガイド)という。
■□■
インドネシアで災害が続いていることについて、国民はどう思っているのだろう。仏教団体「ワルビ」のテントで生活するイスラム教徒の被災者たちに聞いてみた。
工場労働者のジュミナンさん(55)は「私たちが悪行を繰り返すからアッラーの神が怒ったのだ」と答えた。こうした考え方はイスラム教徒の被災者に共通しており、政府に責任を押しつける意見はなかった。
ただし、ジュミナンさんにとって「悪行」とは「政財界の腐敗汚職」であり、それは政権批判につながるものだ。このほか、「神の怒り」を招くものとして多かったのが「イスラム教徒の生活の乱れ」。具体的には「ポルノ雑誌や女性の肌の露出など風紀を乱す行為」を糾弾する声だった。
また、「スマトラ島などの住民は、ジャワ人、特にスハルト氏に『資源や富を収奪された』と恨みを抱いている。支援はそれほど期待できないのでは」(25歳の大学生)との見方もあった。だが実際には、「スマトラ島やカリマンタン島のほか華人団体からも救援物資が続々届いている」(県職員)状況なのである。
インドネシアは多民族、多宗教国家だ。相互対立の歴史を抱え、今でも紛争の火種となっている。しかし最近の度重なる災害が、結果的に国家の一体化を醸成しているのは、思わぬ副産物といえるかもしれない。
その一方で、相次ぐ天災を前に、国民の8割を占めるイスラム教徒の間で“原理主義色”が強まる傾向にある。それは、イスラム過激派のテロの温床になりかねないものだ。
◇
≪震源は内陸側より地表近く≫
防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は31日、ジャワ島中部地震の震源が、これまでに推定された位置より内陸寄りのジョクジャカルタ市の南南東約10キロで、深さは約10キロとする解析結果を発表した。インドネシア国内各地に設置されている観測網のデータを基に、震源や地震の規模を計算した。これまでは、震源から遠い地点を中心とする観測データを基に米地質調査所が、ジョクジャカルタ市の南約15キロと推定していた。地震の規模はマグニチュード(M)6・3と、これまでの推定値と同じだった。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/01int001.htm