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北冷西暑のイメージ図
http://www.asahi.com/science/news/TKY200605210162.html
2006年05月22日
日本列島の夏は北日本が寒く西日本が暑い「北冷西暑」が顕著になり、その原因に地球温暖化が関係していることが、気象庁気象大学校の谷貝(やがい)勇教授(気候学)らの分析でわかった。台風と前線活動が重なり豪雨災害につながるのも特徴の一つで、同教授は防災対策の強化を訴えている。
茨城県つくば市で開かれた日本気象学会で21日、発表した。
都市化の影響が少なく、過去100年余りのデータがある岩手県宮古(北日本)と、西日本(島根県浜田、鳥取県境、滋賀県彦根)の8月の平均気温の差を調べた。
西日本から北日本を引いた気温差を「北冷西暑指数」として見ると、地球温暖化が始まったとされる70年代半ばから大きくなり、90年代に入ってからさらに顕著になった。8月の世界の気温が最も高かった98年、指数は6.8度で過去2番目の高さ。世界気温が過去2位の01年8月は指数は7.5度で過去最高だった。この傾向は以後も変わっていない。
気象庁によると、今年の夏も平年並みの北日本に対して、西日本は平年より暑くなりそうで、「北冷西暑」傾向になりそうだ。
一方で、21世紀に入り、顕著なのが台風と前線が結合した災害だ。60年までは台風と前線が結合した災害はなかったが、80年代終わりころから増え始め、04年は災害をもたらした台風9個のうち4個が前線と結合していた。
90人以上の死者が出た04年の台風23号や29人の死者・行方不明者が出た昨年の台風14号などがこの結合タイプだ。
北冷西暑の場合は、シベリア大陸が高温になり、オホーツク海高気圧を強め、冷たい吹き出しが北日本の気温を下げるとみられている。これに加え、前線が発生し南側に暖かい風が吹き込むと西日本を高温化し、「北冷西暑」を助長する。冷たい空気と暖かい湿った風がぶつかる前線の活動が活発になり、豪雨被害をもたらす仕組みだ。