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各地で多数の焼死者を出す火事が相次ぐ中、延焼防止に役立つとされる「防炎品」の普及が伸び悩んでいる。燃えにくい素材でできた防炎カーテンを使っていたため、連続放火犯による被害を最小限に食い止めたケースもあるが、一般家庭の普及率は、東京都内で3割程度。
総務省消防庁では「万一、火事が起きても命を救う効果がある」として、今月から、消費者の前で防炎品に火をつけ、燃えにくさを実感してもらうなどのPR作戦を始める。
昨年10月31日深夜。香川県国分寺町(現・高松市)の住宅地の集会場で、近くに住む塗装業の男(49)が窓を割り、カーテンにガソリンをかけて火をつけた。男は炎があがるのを確認すると、自宅に戻って火事騒ぎが始まるのを待っていた。
しかし、消防車が来ないので集会所に戻り、再び火をつけたところを警察官に見つかり、放火未遂の現行犯で逮捕された。男は、周辺で発生していた連続放火事件の犯人だった。高松市消防局は、「集会場で使われていたカーテンが防炎品だったために、全焼を免れた」とみている。
防炎品は、不燃性のガラス繊維などが使われ、着火しても燃え広がりにくい。防炎品の普及を進める「日本防炎協会」(東京)の実験では、普通のカーテンに火がつくと、炎はわずか1分で天井まで達してしまうが、防炎カーテンの場合、大型ガスライターの火を5分間近づけても、炎のあたった部分が黒く焦げるだけで済む。
防炎品の種類は実は豊富で、カーテンやカーペットのほか、障子紙や仏壇で使う白布、バイクカバーなどもある。特にカーテンの場合、日本防炎協会は「一般の商品と比べて割高ということはない」と説明する。
消防法は、高さ31メートル(11階程度)を超える高層建築物や、病院などの不特定多数が利用する施設で、防炎カーテンやカーペットを使用するよう義務付けているが、昨年3月の総務省消防庁の調査では、こうした施設86万6000か所の1割以上が使用していなかった。
また東京消防庁が昨年7月に都民1198人に実施したアンケートでは、64・5%が「家に防炎品がない」と回答。その理由(複数回答)として、41・9%が「防炎品を知らなかったから」と答えた。
昨年の住宅火災による死者(放火自殺を除く)は1223人と1979年以降、最悪を記録しており、総務省消防庁では「防炎品の普及が死者減少のカギになる」として、本年度の予算に約1000万円の普及・啓発費を計上。燃焼実験などの具体的なPR策を検討している。
(読売新聞) - 4月4日14時59分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060404-00000408-yom-soci