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(回答先: 地滑り 1800人絶望 レイテ島1 悪天候で捜索難航 【東京新聞】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 2 月 19 日 22:17:02)
【関連】 メールで『出られない』
地滑り比レイテ島ルポ
18日、深く削られた山肌(後方)はギンサウゴン村を壊滅させた=青柳知敏撮影
【ギンサウゴン(フィリピン・レイテ島)=青柳知敏】穏やかだった農村が跡形もない。うねるように一面を覆う泥と岩は、まるで死んだ海原だ−。フィリピン・南レイテ州(レイテ島)セントバーナード近郊の大規模地滑りで壊滅したギンサウゴン村で、救援隊はなす術(すべ)さえない。
村全体をのみ込んだ土砂は、その後も降り続く雨水で腰まで埋まるほど深い泥に姿を変えた。長靴に泥が流れ込む。近くに人がいなければ自力では抜け出せないほどだ。
救援隊はぬかるみに重機を持ち込めず、竹の棒を泥に差して生存者を捜している。発生から一日が過ぎた十八日昼、一人の男性が救援隊を訪ねてきた。男性の携帯電話に同日朝、生き埋めになった小学校の教諭からメールが届いたという。「窓が開かない。出られない」とだけ書いてある。
「まだ生きている」。教諭の親類という男性は救援隊に助けを求めたが、スコップを持って現場に向かった国軍兵士らは新たな地滑りの発生で避難を余儀なくされた。
指揮官のラウル氏は「この泥の海の中で、どの場所に学校があったのかさえ特定できない。目印の大木も土砂に埋まっている」とうめいた。
村には、司令本部のテントから幅約五十メートルの川を渡らなければ近づけない。重機のシャベル部分に乗り、対岸に渡してもらう以外に方法はない。発見された遺体も同じように、川を渡って運ばれてくる。川岸に並べられた遺体のビニールシートが小さく盛り上がっていた。隊員は「まだ小さい子どもだよ」と言った。
崩れ落ちた山肌は、ふもとに向かって巨大な三角形の傷をさらし、山頂部分はV字形に深くえぐられている。三角形は村があった場所に広がり、地滑りの威力を見せつけている。
土砂以外に目に入る物は、わずかに残ったヤシの木二本と壊れた屋根の残骸(ざんがい)だけ。さびたトタンのわきに、クマの絵の枕が落ちていた。救援隊員は「この下にも人がいる」と言う。一帯には異臭が漂う。
■物資の道、寸断危機
生き残った住民約四百人は、街の中心にある救援センターに身を寄せている。
主婦のロルベルタさん(41)は、八歳と二歳の子どもの行方が分からない。地滑りが起きた十七日は夫のセリオさん(65)と山にいた。ココナツの木の世話をしているときにごう音を聞いた。
セリオさんが木に登ってふもとを見ると、すべてが消えていた。土砂の切れ目のあぜ道まで走ったが、自宅の場所には土と水で近づけなかった。もう泣き疲れたという。「私には待つことしかできない」と放心したように話す。
赤十字などから救援物資が届くタクロバン空港からギンサウゴン村まで、車で約五時間。その道路さえ小規模な地滑りに見舞われ、寸断の危機に直面している。
「一人でもいい。生きていてほしい」。救助を見守る人々が願う中、えぐられた山は雲に覆われ、現場には雨が降り続いていた。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20060219/mng_____kok_____002.shtml