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□<米ハリケーン>老人ホームの死亡、責任押し付けあい [毎日新聞]
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/science/hurricane.html?d=01mainichiF1001e068&cat=2&typ=t
<米ハリケーン>老人ホームの死亡、責任押し付けあい (毎日新聞)
「老人ホームでお年寄り34人が死亡」。大型ハリケーン「カトリーナ」災害の中でも衝撃的なニュースだった。なぜ悲劇が起きたのか。水が引いたばかりの現場、米ルイジアナ州セント・ベルナルド郡を訪ねた。【セント・ベルナルド郡(米ルイジアナ州)國枝すみれ】
郡当局者として老人ホーム「セント・リタ」の現場に到着したのは同郡消防士、スティーブ・ギャロドロさん(55)。脳内出血で倒れた父親(82)をホームに預けていた。カトリーナは8月29日に上陸。父のことは気になったが、消防士として救援活動に追われ、31日夕方、親友とボートでホームに向かった。
ホームの入り口近くや建物内に遺体が浮いていた。大声で「誰かいるか」と叫んだが、返事はなかった。入所者のうち父を含めて34人が死亡、52人が助かったことが分かったのはかなり後のことだ。
ギャロドロさんは避難所となった中学校に行った。ホームの主任看護師が「ごめんなさい」とだけ言って立ち去った。
いたたまれない光景を目にした。ある女性が父親の遺体を避難所に運び込もうとしたが、「病気の人もいる避難所に入れるわけにいかない」と拒否され、遺体が流されないように避難所のフェンスに結び付けていた。「私も父の遺体を見つけても安置する所がない」。ギャロドロさんは父の捜索をあきらめて消防士として救助を続けた。
その間、ボートに乗ったホームの経営者に出会った。「ホームに残された遺体はどうするんだ」と呼びかけると、経営者は「あちこち遺体だらけだ。おれにどうしろと言うんだ」と叫び返した。
避難命令を無視した過失致死罪で9月13日に刑事訴追されたホーム経営者夫婦の弁護士、ジェームス・コブさんは「経営者夫婦はホームが最も安全な場所と信じていた。息子や孫ら親族もホームに避難させていた。浸水後も入所者を屋根に上げて助けた」と主張する。
セント・ベルナルド郡では、老人ホームに毎年、避難計画書の提出を義務づけている。ヘンリー・ロドリゲス郡長は「老人ホームは避難計画通りのことをしなかった。郡政府の責任? 私たちには施設を個別に訪問して避難を強制するだけの人手はない」と語り、責任はホームにあると強調した。
避難が遅れて入院患者55人のうち4人が脱水症状などで死亡した、同郡の病院勤務医(53)が打ち明けた。「あの老人ホームは過去2回、ハリケーンで避難を実施したが、避難させるほどの被害がなかった。避難すれば車代、宿泊費などで相当の費用がかかる。病院もそうだが、避難は金銭的な判断でもある」。
初動の遅れを問われ辞任した連邦緊急事態管理局(FEMA)のブラウン前局長だったが、下院公聴会で「災害対策の基本は地方政府にある」と連邦政府の責任を否定した。その地方でも責任をほおかぶりしている。
混乱は続き、助かったホームのお年寄りたちが今どこで、どうしているのか、郡当局は把握できていない。
人づてにフロリダ州の老人ホームに移った女性トリシカ・スティーブンスさん(75)を知った。「冷房機から室内に水があふれ込み、私が座っていたマットが浮き上がった。死を覚悟した。突然、男性が私の腕をつかんでボートに引き上げてくれた」
救助したのは近所の石油掘削業の男性ら4人だった。スティーブンスさんは「入居者のうち自力で歩けたのは3人だけ。あとは私のように車いすか、寝たきりの老人。ホームは私たちを避難させるべきだったのです」と訴えた。米紙USAトゥデーによると、近所の人たちが救助のために出したボートは16隻だった。
ギャロドロさんは9月30日午後(日本時間10月1日朝)現在、まだ父の葬儀をしていない。ホームと周辺で9月6日前後に遺体が収容されたが、遺体のDNA鑑定が終わらず、身元確認が続いている。
[毎日新聞10月1日]
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投稿者 white 日時 2005 年 9 月 08 日 17:42:33: QYBiAyr6jr5Ac