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天罰が恵みになるアメリカ、カトリーナとリタで20−30兆円の復興需要 【増田俊男事務局】
http://www.asyura2.com/0505/jisin13/msg/253.html
投稿者 Sちゃん 日時 2005 年 9 月 27 日 00:54:35: 4kC3WMVanvmFc
 

(回答先: ハリケーンで金儲け 投稿者 World Watcher 日時 2005 年 9 月 25 日 22:45:49)

増田俊男事務局
http://www.chokugen.com
http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h17/jiji050926_323.htm

天罰!?

2001年9月11日、アメリカを襲った「同時多発テロ」は「人災」。それから4年目にあたる2005年8月末のハリケーン「カトリーナ」と9月23日の「リタ」は天災。人工的テロ災害の犯行には、アメリカをソフト(マネー)政策からハード(戦争)政策に転換させる立派な理由があった。では、2回も続けてアメリカを襲った天災には、理由はないのだろうか。

今回の「同時多発ハリケーン」には科学的理由があるそうだ。「地球温暖化」が原因だと世界中の権威ある科学者たちが解説している。地球温暖化防止のための京都議定書で先進工業国に対してそれぞれ二酸化炭素の排出制限が決議された。日本をはじめヨーロッパ諸国、イギリス、さらにはロシアまで割り当てられた排出制限義務を批准した。ところが世界で最も二酸化炭素排出量の多いアメリカと中国は批准拒否。ブッシュ大統領の拒否理由は、「私はアメリカの産業にマイナスになるいかなる義務も負うことはない」である。

「皆さん地球のことを思うことはいいことです。やりたい方は損を承知でどうぞおやりください。私は損することはしませんから」と言わんばかりである。中国にいたっては「聞く耳持たず」である。中国では数千人が犠牲となる洪水、アメリカはご覧の通りの天災である。まさに「天罰」と言うべきであろう。


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天罰が恵みになるアメリカ

日本のような普通の国にとって、数千人が犠牲になる天災は不幸である。ところがアメリカは違う! そのわけは、「細胞核(目的)は日本、細胞液(方法)はアメリカ」を自負する私の定説「アメリカは国ではなくインフラ」だから。日本が自然の山中にしっかり根を下ろした常緑の松の樹なら、アメリカはプラスチックで建設した賭博場である。世界中の欲を煽る賭博場、まさにラスベガスである。

世界から富が来なくなれば、法か武力でかき集めてアメリカで消費させる「場」(インフラ)である。アメリカの大統領はラスベガスの客集めが仕事である。世界から客(マネー)が集まらなければ大テロ事件を勃発させて世界を恐怖に陥れ、テロと敢然と戦う強いアメリカに従わす。事実クリントン政権末期のリセッションはWTO崩壊劇と続くアフガン、イラク戦争で今や空前の大好況に変わったのである。

ところが今になって、住宅産業バブル、原油価格高騰、過剰信用残でインフレが進行、何とか仮需要を抑え実需を増大させないと好況の持続が危なくなってきた。そこへ何と2回も続けて天災がやってきた。「カトリーナ」と「リタ」で20−30兆円の復興需要が天から降ってきたのである。

今朝私のところへアメリカの大物ロビーストから電話があった。共和党の資金源の一つであるエネルギー会社がこなし切れないほどの復興事業受注が入ったので増資をする。その増資引き受けのチャンスをくれるという話だった。何でも1年で5−10倍のキャピタルゲイン保証付きだという。他人の不幸で金儲けをする気がしないので丁重にお断りした。

アメリカの好況持続が危ぶまれている時に30兆円の実需という名の「幸運」に恵まれたと喜ぶ人もいれば、肉親を失い悲しむ人もいる。アメリカの経営者たちは今「沸きに沸いている!」のである。


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勝つ者、負ける者

毎年どの辺りにハリケーンが来るかは決まっている。したがって「持てる者」は安全なところに住み、持たざる者は危険なところに住まざるを得ない。これを「アメリカ流市場原理」と言う。政府は危険なところの対策には最小限の金しか使わない。なぜなら持たざる者は税金を払わないで(福祉を)取るばかりだから。払わない者に払い、払う者に払わないのはアメリカが誇るフェアーの精神に反する。

8年前に災害専門機関が「今度大きなハリケーンが来たらニューオーリンズは消えてなくなるぞ」と堤防の改築を勧告していた。ところがフェアーの精神に反するから放置されたままだった。カトリーナ災害は実は「人災」だったのである。まだ「カトリーナ」による犠牲者の数は分からないが、数千人とも1万人を越すとも言われている。「税金を払わず税金を食べてきた人口が減った」と報道してを買ったメディアがあったが、誰もが心の中では「その通り」と思ったはずだ。

死んだ者には家は要らないが、生き残った者には家が要る。死んだ者の数だけ福祉予算が助かり、生き残った者の数だけ復興予算が増える。おかげで来年アメリカは大好況になるという。30兆円の実需をめがけて私にまで投資チャンスがくるのだから……。


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アメリカは住宅バブルか?

今後アメリカ経済がバブル化する懸念はぬぐい去れない。ハリケーン需要は仮需要を吸収する要因になるが、海外からも資金が集中するので、どうしても来年のアメリカ経済は過熱する。さらにアメリカはエネルギー自立のため原油価格を高値に保つ戦略。高値でなくてはアラスカ、テキサス、カリフォルニア等々の腐るほど埋蔵量がある油田採掘の採算が取れないからだ。こうなると、さらにアメリカの仮需要(インフレ)は防ぎようがなく、どうしても株と土地にヘッジせざるを得ない。

9月20日、NY連銀は「米国の住宅価格は過去10年間の傾向と比べても適正価格の範囲内にある」と、住宅バブルを打ち消した。住宅の所有コスト(メンテや税金)と収入(税優遇や家賃)を比較すると、両方とも等しく増大しているが均衡していることが分かった。しかしこれは持てる者(家主)のための話で、持たざる者(借家人)の話ではない。持たざる者の家賃は上がり、最も数の多い所得水準の下から20%の国民の所得は減っているのだから、持たざる者の生活は益々苦しくなっている。

住宅バブルでないという連銀のお墨付きでさらに住宅価格はあがり、家賃も均衡して上がるので弱いものは益々弱くなる。またもやアメリカが誇る市場原理が驀進する。


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ところで日本は?

今日の日本は竹中・小泉ラインでまっしぐらにアメリカ化している。貧富の差もどんどん広がり出した。しかし私はこの「不幸な流れ」は止められないと思っている。国民が、「改革」と聞いただけでが出るようになる時まで無理だろう。「改革の小泉です」に「ジュンちゃーん☆」ではね……。

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