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米国が現実に引き戻された
(9月5日 主筆ティエリ・メイサン)
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突然、米国の「国家の不在」を明るみに出しながら、ハリケーン、カトリーナはブッシュ政権の真の政治を暴露した。すなわち、国家の民営化、縁者びいき、公益より石油企業優先という路線変更。
ティエリ・メイサンによれば、米国内の緊張の始まりは戦争ではなくてハリケーンである。
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第一次大戦以降、米国は《自由の国》というイメージをでっち上げてきた。20世紀初めのヨーロッパの崩壊と、それに次ぐソヴィエト連邦の崩壊によって、民主主義と繁栄を保証するモデル国家として人々を納得させてきた。
その優位性と《神》から授けられた使命感によって、米国はその規範を至るところに押し付けようと企て、石油産出地帯を植民地化しようとした。フランシス・フクヤマは《アメリカ式生活》の勝利は決定的だと説いた。----
流れに逆らって、われわれは今日の米国は民主主義ではない、米国は世界と自国から略奪し捲くっている捕食動物の徒党によって統治されていると言い続けてきた。
突然、米国のプロパガンダは現実の壁に砕け散った。ハリケーンである。カトリーナが、ミシシッピー地域とニューオーリンズを破滅させたのである。一瞬のうちに《王様は裸になった》
米国南部はハリケーンには慣れていたが、このような激しさで北へ向かって吹き荒れたのは初めてである。そこには、米国が主要な原因で、京都議定書を受け入れていたら削減できたであろう気候温暖化に関する罪がある。しかしブッシュ政権は、同胞の利益よりも、政権を構成している石油会社の利益を擁護することを好んだ。
ミシシッピー地域は多くのハリケーンに耐えてきた。だが堤防が水没したのは初めてである。そこには、一世紀半にわたる乱暴な石油開発を原因とする沼地の崩壊に関して罪がある。
そこには、科学者が警告し、同時にデルタ地帯の合理的な管理と、下から侵食する堤防の強化を勧告してきた長い年月がある。しかしブッシュ政権は、この地域ではことに黒人である同胞の利益よりも、政権を構成している石油会社の利益を擁護することを好んだ。
FEMA(連邦緊急事態管理庁)はたいへんな自然災害に直面した。この新しい状況に対してどうしてよいか分らなかった。そこには、新しい長官、マイケル・D・ブラウンに関する罪がある。無資格の法律家で、アラブ馬の国際協会顧問という地位から乱暴に配置転換された人だ。他の人たちと同様、ブッシュ家によって再就職したのである。FEMAは911の後に創設された国家安全保障省の中心部に組み込まれた。ここにあるのは、対テロ戦争という名目だけで、見せかけの契約と閑職以外のなにものでもない。
米国には、すばやく展開できる優良な衛生機関がある。しかし、連邦の財政負担を軽くするために、反論もなく民営化された。つまり教会に与えられたのである。これはすべて官僚の報告により信仰に基く優位性の名で実行された。
(以下略)
http://www.voltairenet.org/article127437.html