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「最高のCPUを作っているのは我々」
〜日本AMDが記者懇談会を開催【PC Watch 】
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0120/amd.htm
1月20日 開催
日本AMD株式会社は20日、年始定例の記者懇談会を都内で開催。2006年の方針、2005年の業績報告などを行なった。
日本AMD株式会社 代表取締役社長デイビッド・ユーゼ氏
まず、同社代表取締役社長デイビッド・ユーゼ氏が日本語で「あけましておめでとうございます」と挨拶。日本AMDは市場への浸透を加速させ、PC、サーバーおよびワークステーション、コンシューマ、エンタープライズの4つのカテゴリをさらに推進していくとした。特にエンタープライズはアグレッシブに行きたいという。
PCは、2006年に登場予定のWindows VistaとAMD64プロセッサが、日常の64bitコンピューティングを実現させていくとした。もう1つ、AMDの普及率を高めるものとして“本物の”デュアルコアCPUを挙げ、「我々のデュアルコア戦略は'99年から手掛けており、焦って市場に出したものではない。スケーラビリティや効率性に優れた製品で、他社のものとは差別化している」と語った。
また別の要素として、ジャパン・エンジニアリング・ラボ(JEL)の活動を紹介。ノートPCの設計や検証などを行ない、OEMに向けてリファレンスキットなどを提供している。ユーゼ氏は「JELはAMDにとって全世界で非常に重要な拠点と位置付けている。それは、日本が世界で最もモバイルPCの技術革新が進んだ中心地だからであり、JELは世界一のための技術を研究している」とした。
サーバーおよびワークステーション市場では、Opteronのソリューションを提供しているメーカーが大きく成長していると語り、ことわざで「時は金なり(Time is money)」にかけて、性能が求められるIT市場では「性能は金なり(Performance is money)」と表現。この市場でのOpteronの強さを強調した。
また、AMDが以前からアピールしていたワット当たり性能の指標についても言及し、「2005年の秋に、他社が“最も重要なのはワット当たり性能”と発表したが、(今更の発表に)なんて驚くことだ」と、コメント。AMDはK8の設計時からワット当たり性能を意識してやっていたとした。
PC分野における加速 サーバー/ワークステーションにおける加速 コンシューマ市場における加速
富士通のTurion 64ノートPCを見せるユーゼ社長
コンシューマにはモバイルでも64bitを提供しているように、リーダーシップを発揮しているとし、「これがわたしの新しいノートPCで、昨日手に入れました。富士通のグレートノートブックです」と富士通のTurion 64搭載ノートを紹介した。
このモバイルCPUだけでなく、コンシューマ市場で最も成功を納めているのがデュアルコアのAthlon 64 X2であり、10日に発表したFX-60は現時点で最速のデスクトップ向けCPUだと語った。
ユーゼ氏は続けて、パラダイムシフトが起こっていると話し、「新しいリーダーが登場した。頭文字は“I(アイ)”ではないのです」とコメント。「現在、最も良いサーバーCPUを製造しているのはどこですか? AMDです」、「最高のデスクトップCPUを作っているのはどこですか? AMDです」とアピールし、晩春にはデュアルコアのモバイル製品(Turion 64)を投入するとした。
また、「性能面のリーダーシップだけでなく、我々は、30倍以上の研究資源を持っている大きな会社のロードマップを変更させるほどの力を発揮し、小さな規模で勝利を収めてる。以前のAMDのCPUと言えば、ローエンドや低価格PCといったイメージだったが、2004年以降はAMDのCPUがハイエンドになっている」とAMDの技術力、開発力を強調した。
アグレッシブに加速するというエンタープライズ分野
アグレッシブに加速を行なうというエンタープライズ分野に関して同氏は、「投資収益率(ROI)と総所有コスト(TCO)が重要視されており、計算すればOpteronが最も適しているのが明白になる。Opteronのソリューションを提供しないところはOpteronを提供しているメーカーにシェアを奪われている」と話した。
ユーゼ氏は「私がとてもアグレッシブだという印象を与えてしまったかもしれません……。その通りです」と笑いを誘い、「OpteronやクライアントCPUが採用されるように努力をしていく。決して我々の運命を他者に任せるつもりはない」と、エンタープライズ分野への意気込みを語った。
日本AMD株式会社 取締役 吉沢俊介氏
続いて、同社取締役 吉沢俊介氏が2005年の業績を解説。内容は19日の決算発表だが、この中で、x86市場の売上ベースでのシェアが2005年第3四半期の12%から第4四半期は15%になったことを明らかにした。また、粗利率が第3四半期の55%から57%に上昇し、キャッシュバランスは18億ドルに増加。同氏は“非常にヘルシー”だと表現した。65nmプロセス/300mmウェハの研究や、K8以降のCPUの研究開発費、独ドレスデンの新工場Fab 36などへの設備投資も増加させている。
製品ではサーバー、デスクトップ、モバイルのすべてが、好調だった第3四半期からさらに伸長。マーケットシェアは確実に上昇しているとした。特にTurion 64が米国市場において好調で、Intelと互角のシェアで抜きつ抜かれつの状態だという。
2005年のハイライトでは「Forbes Global 2000」のトップ100のうち90%がAMD製品を採用したこと、AMD64が160の賞を獲得したこと、Fab 36が生産を開始したこと、東京工業大学に国内最速のスーパーコンピュータを設置できたことなどの成果を紹介した。なお、CESで発表された「AMD LIVE!」に関しては今後、詳細を順次伝えていくとした。
2005年の通期および第4四半期の決算概要 研究開発費、設備投資も大きく増加 AMDにとって重要な年になった2005年の出来事
日本AMD株式会社 マイクロプロセッサー ソリューション本部長 多田和之氏
最後に、日本AMDマイクロプロセッサー ソリューション本部長 多田和之氏が、2006年の方向性を「“Performance Per Watt”を“ワット性能”という言葉で改めて提言したい」と話し、自動車業界がエコカーにシフトしているように、IT業界でも、高騰する原油価格による電力料金を抑えるためにワット性能を重要事項として提案していくとした。
続いて、ワット性能の比較を紹介。2wayサーバーはデュアルコアOpteronとXeon(Paxville)で比較。Opteronは消費電力が190Wであるのに対し、XeonはCPUが300W、ノースブリッジが22Wで計322Wとなり、ワット性能では220%優れるとした。4wayでも同様で、Opteronシステムが380W、Xeon MPシステムが740W、ワット性能でOpteronが212%優れていることを示した。
2wayサーバーでのワット性能比較 こちらは4wayサーバーの比較 ワット性能の重要性を訴求していくほか、仮想化技術Pacificaも促進
□日本AMDのホームページ
http://www.amd.com/jp-ja/
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(2006年1月20日)
[Reported by yamada-k@