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デジカメを持って出かけようとして、バッテリーが空になっていて慌てた経験はないだろうか。
保管しているうちに蓄えた電気が逃げていく現象、「自己放電」を抑えた新しいニッケル水素二次電池(充電池)が相次いで登場した。三洋電機の「eneloop」、松下電器産業の「HHR-3MPS/4MPS」だ。
三洋電機の「eneloop」によるシミュレーションでは一年保管しても充電した量の85パーセントが残る。従来製品では充電した分は一年たてばほとんど逃げていたが、新しいタイプならデジカメから電池を取り出した状態で保管すれば一年後でも十分使える。
●「自己放電」減らし、使い勝手を乾電池並みに
二次電池の性能のうち、電気の取り出しやすさ(容量)と、自己放電の少なさや繰り返し使用回数(寿命)は相反する関係にある。デジカメのようにパワーが必要な機器で二次電池の利用が増えたため、松下と三洋は高容量化重視で開発競争を続けてきた。その結果、自己放電の少なさや繰り返し使用回数など他の性能向上が後回しになり「一般ユーザーに使いにくい電池になっていた」(松下電池工業商品企画第二チームの村上明義主事)。また、現在はデジカメも消費電力低減が進み、以前のようなパワーは不要になってきた。
そこで、性能全体のバランスを見直した結果、使いやすさ重視の新しいニッケル水素二次電池が出来た。容量は両製品とも2000ミリアンペア時で、 2600〜2700ミリアンペア時の高容量タイプと比べるとやや少ない。その代わり、繰り返し使用回数は従来の倍となる約1000回に伸びた。充電一回分の利用コストは10円を切り、経済性は高まった。
三洋電機は自己放電の少なさを利用し、工場出荷時に充電済みの状態で製品を出荷する。購入したら充電なしですぐ使える「乾電池のような感覚」(三洋エナジートワイセルの後藤勝城社長)を実現し、主婦層などの新しいユーザーへの浸透を目指す。携帯電話や携帯音楽プレーヤーなどで二次電池を毎日使用しながら、電池の購入に結びつかなかった層を開拓する。新たなタイプの登場で、ニッケル水素二次電池は大きな飛躍の時期を迎えた。
(宮坂 賢一=日経PC21)
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▲ 未来的なデザインの三洋「eneloop」は単3型が2005年11月発売、単4型が2006年1月発売予定。松下のHHR-MPSシリーズは単3型、単4型とも2006年2月発売予定
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▲ 従来品より容量はやや少ないが、自己放電を抑えたために「いつの間にか空になる」という不安は少ない。繰り返し使用回数が倍になり経済性も高まった