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(ちょっと遅くなってしまい、恐縮ですが)
11月9、10日の両日、品川プリンスホテルでPhotoshop World 2005 in Japanがアドビ・システムズ他の主催で初開催された。
テクニカルな内容については別として、最終日野田凪さんと宇川直宏氏の対談を聴いて感じたことを述べたい。クリエイターにとって、時代に対する感性というものは欠く事の出来ない資質であるのは当然である。むしろこの世の進む方向へ半歩以上は進んでいないとやっていけないように思われる。宇川氏が対談中に披露したorganic materialのジャケットは、素材がケナフで出来ている。最近は紙などもケナフで造られたものを目にすることも多い。棄てられても、いずれ土に帰る点で地球環境に配慮されたものだ。そのジャケットには、コーンとケナフの種が縫い込められている。その意味するものとは、やがて大地震など地球的災害に見舞われても、生き残れば種を蒔いて食料にすることも出来る(もちろん自然素材だからそのまま食べられなくもない)ということ。それで、何故にコーンとケナフであるかといえば、それがアメリカ文化とイスラム文明の象徴であるからということであった。ところが、実際にコーンとケナフを同じ畑には蒔けないらしい。互いに相克関係にある植物で、ケナフがコーンを駆逐するのだという。宇川氏は、その着想を「9-11テロ」によって得たのだとか。実に含蓄に富む挿話ではないだろうか。9-11後の世界はクリエイターの精神にも重大な影響を与えていることを実感する。(<個人的には9-11の背景に深い疑念を抱いているのだが。ペンタゴンに突っ込んだのは旅客機ではあり得ないとする根拠や、WTCが崩壊したのは複数の爆薬が仕掛けられていたからというような話は、ネット上を探せば直ぐに見つかる)
野田さんにしても、線の細い女性とお見受けしたがブッシュ大統領に対する嫌悪感は相当なもので、仲間うちで話していても皆共通の認識を示すと語っていた(アメリカ人以外でブッシュが好きな人間がどれだけいるだろう)。彼女はクリントンの時代が良かったという。クリントンにまた大統領をやって欲しいと、しきりに繰り返していた。クリントンの民主党政権には日本も相当辛くあたられたわけだが、少なくとも日本を戦場に引きずり出すような、暴力的で文明破壊的な政権ではなかった(メソポタミア文明の発祥の地も回復不能なほど痛めつけられてしまった)。
以上の話は、ちょっと脇道にそれたところで出て来た話で、そんな話ばかり長々していたわけではない。それでもふとした時にそんな話題が出るというのは、若い世代にも相当な危機感が醸成されているせいであろうと、来るべき未来をやや暗鬱な気分で垣間見たのだった。