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http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20050729i306.htm
マイクロソフト社は、来年発売の次期パソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」で使用する日本語の漢字約150字の形を変えることを決めた。
新しいJIS漢字の字形を反映させたためで、今の「ウィンドウズXP」で使われている「」「辻」「飴」「蝕」「逗」などは基本的に表示・印刷できなくなる。業務用、家庭用OSで9割のシェア(占有率)を誇る最大手が新JIS漢字の採用に踏み切ったことで、名前に変更漢字を含む自治体や企業などは新たな対応を迫られそうだ。
漢字のうち、常用漢字の1945字、人名用漢字の983字、表外漢字の1022字は内閣告示や規則などで字体が決まっている。
これとは別に、工業製品の規格を定めるJISでは、情報機器に使う漢字の字形を例示するだけ。この例示には一部、簡略化された字形が示されていた。このため、2000年に国語審議会(今の文化庁文化審議会国語分科会)から表外漢字字体表が答申された後も、略字がパソコン画面に表示されたり、文書に印字されたりしてきた。
しかし、昨年2月に発表された新JIS漢字では、表外漢字字体表に記載されている漢字の形を全面的に採用し、略字だった168字の例示字形を表外漢字と同じ字形に切り替えた。
マイクロソフト社では、「ウィンドウズ・ビスタ」の開発にあたり、「日本の漢字文化を反映させる方向」を模索。伝統的な字形に変更された新JIS漢字の搭載を決めた。「ウィンドウズXP」もダウンロードなどで対応できるようにする予定だ。
例えば「葛」の下の部分は「ヒ」ではなく、「人」の「カズラ」に変わる。この結果、「東京都カツ飾区」は簡単に打てるようになる。(「カツ」は葛の下の「ヒ」を「人」に替えたもの)
反面、昨年10月の合併で生まれた「奈良県葛城(かつらぎ)市」は、正式な市名に「葛」の字を使ったため、何らかの手当てをしない限り、市の名前を正確に印字できない事態に追い込まれる。
文化庁国語課の話「円滑なコミュニケーションのためには、表記上のルールが欠かせない。様々な文書で使われる漢字の字体がばらばらでは混乱する。『表外漢字字体表』に対応した漢字がパソコンで簡単に出てくるようになれば、インターネットのホームページでも書籍でも、同じ字体で読めるようになり、どれが適切なのか戸惑うことも少なくなるだろう」
(2005年7月29日14時35分 読売新聞)