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(回答先: サムソンと組んだソニーに対して経産省の役人が「国賊」「売国奴」と…… 投稿者 やました 日時 2005 年 5 月 20 日 23:45:41)
有機ＥＬは携帯電話に活路
それから、有機ＥＬ（electro luminescence）は第３ディスプレイです。簡単に言えば、ガラス材料に有機材料を塗り付けて、あとは液晶とほとんど同じ原理で作る。すごく構造が簡単です。しかも、液晶と違って、最大の利点は自発光。液晶とかプラズマは、バックライト、フロントライトと言って、明るくするために中にライトを仕込んでいる。光源を必要とするので、消費電力がすごく大きくなる。
有機ＥＬはそれ自体が光るんです。光源がいらないから、ものすごく消費電力が小さい。コストも安く作れる。おまけに、エレクトロニクスショーなど行くと、参考作品で出ていますが、すごく高精彩です。クリアです。あまりのきれいさに液晶なんか見ていられないです。
コダックが基本特許を持つんですけれども、この特許はほとんど切れるので、今後は日本メーカーに特許が移ってきます。たぶん有機ＥＬ特許の７割を日本メーカーが押さえていると思うので、有機ＥＬがブレークしてくれば、そうとう日本勢はやると思います。
ここも連合軍が結成されていまして、サムスン・ＮＥＣ、ソニー・トヨタ、三洋・コダックの各連合軍。パイオニア、ＴＤＫ、エプソン、東芝は自前でやっています。僕がマークしているのは実はこれらではありません。この人たちは２００億円か３００億円突っ込んで、もう量産工場を作りに入っているんですが、この人たちよりはるかにすばらしい技術を持っているメーカーが１社あります。そのメーカーが今後勝負をかけてきます。もったいぶらずに申し上げますと、Ｋ＊＊です。Ｋ＊＊の有機ＥＬは抜群にすばらしい。
ちょっと申し上げておきますが、有機ＥＬにはーつだけ欠点がある。「書くな」と言われているんですけどね（笑）。製品寿命がたったの２０００時間しかないんです。２０００時間で壊れちゃう。テレビは最低でも６万時間は保証しろとなっているんですね。考えてみてください。１日５時間テレビをつけたら４００日、１年とーか月で使いものにならなくなるんですよ。それは欠陥商品です。でも、みんな怖くて書かない。
どうしてそんな欠陥商品を使うのか。簡単なことです。携帯電話なら使える。携帯電話を５年、１０年待っている人はいません。必ず買い換えます。携帯電話をずっとつけっ放しにする人はいません。電源を切ればリカバリー（回復）します。携帯電話のような用途だったら有機ＥＬは十分に使えるわけです。ファースト・アプリケーション（最初の利用方法）は有機ＥＬで入るんです。テレビは使えないですよ。２０００時間だからどうしようもない。
ところが、Ｋ＊＊さんは、有機材料の高分子を使うんじゃなくて、半導体と同じ材料を使うんです。シリコンで有機ＥＬを作る。これはたいへんな技術です。そうなれば寿命の問題は解決します。蛍光体がすごく良くなりますから、おそらく１万時間から２万時間ぐらいまではいけると思います。
先々週、Ｎ＊社長にお会いして聞いたんです。「書いたら殺すぞ」と言われたので書けないけれども（笑）、Ｓ＊県のＮ＊に今テストプラントを作っている。今年、３００億円か５００億円かわからないけれども、Ｎ＊に新工場を作ることを決めているんです。
先行するグループを一気にキャッチアップすると言っていたので、間違いないんですけれども、書いちゃいけないと言われる。新聞記者にしゃべっておいて、「書いたら殺す」はないですよね（笑）。紳士協定ですから書きませんけれども、いずれにしてもＫ＊＊。
もう１個、まったくノーマークのメーカーですけれども、Ｆ＊電機に注目しています。Ｆ＊電機の有機ＥＬは別の意味ですばらしいです。簡単に言えば、精彩度が高くて、どうも長持ちしそうな感じがします。
今、まったく下馬評に挙がってないんですけれども、その２社はマークしています。Ｆ＊電機も量産工場を絶対作ると思いますから、この辺を今マークして、記者に徹底的に追いかけろと言っているところです。
２００４年のＴＦＴ液晶の設備投資を見ると、台湾８０００億円、韓国５０００億円、日本２７００億円ですから、液晶を設備投資で見ればもう勝負はあったんですね。日本ではシャープを除いてはない。しかし、ほかのメーカーはプラズマ、有機ＥＬ、ＦＥＤと（液晶以外の）投資を始めますから、これはわからないですよ。
台湾の８０００億円は、例によって眉つばです（笑）。最近入ってきた情報では、「半分もやっていないだろう。３０００億円ぐらいじゃないの」と言っていましたね。
半導体工場も、中国全土で６０カ所着工が入ったと言うから、「それはすごいね。中国の時代が来るのかね」と言っていたら、この間、上海支局から記者がやって来た。「泉谷さん、あれは全部うそですよ。１０力所あって１カ所しかやっていないから、９０％はまだ全然着工していないし、話ももうなくなっているんじゃないですか」と言うから、「そうなの？やっているんじゃないの？」と言ったら、「やっていないですよ。泉谷さん、甘いですよ。白髪三千丈の国なんですよ」と（笑）。
そういうめがねをかけて見なきゃいけないのかと思ったんですけれども、そのとおりです。台湾、中国の言うことはこういう感じで聞いておかないとえらいことになっちゃう。韓国はあまりそういううそはつかないですから、ほぼ予定どおりやっていると思いますけれども。
（続く）
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。