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【泉谷渉氏は 半導体産業新聞http://www.semicon-news.co.jp/編集長で,このギョーカイの名物記者。「 日本半導体起死回生の逆転http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492761373/qid=1116597923/sr=1-4/ref=sr_1_10_4/249-2716281-6277944」「 次世代ディスプレイ 勝者の戦略http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492761519/qid=1116514650/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/249-2716281-6277944」等々の著作で,「日の丸半導体」応援団長として,国粋度百パーセントの記事を書いておられる。
「垂直統合・ブラックボックスナショナリズム」であります。ここでは経済倶楽部の2005年1月の講演会より,次世代ディスプレイについて怪気炎をあげておられる。いろいろ文句あるカもしれませんが(笑),とりあえず泉谷ブシをご堪能ください。数年後読み返すとつらいかもしれませんが(笑)なお,伏字のところは活字になった冊子ではどうどう実名を記しておられる(^^;】
経済倶楽部http://homepage3.nifty.com/keizaiculb/講演録・抄
経済倶楽部講演録(東洋経済新報社/経済倶楽部編)
2005年3月号より(講演は2005年1月28日)
泉谷渉「次世代ディスプレイ 勝者の戦略―薄型テレビ産業30兆円ビジネスの行方!」
(半導体産業新聞http://www.semicon-news.co.jp/編集長)
(前略)
今、日本の液晶産業、半導体産業、エレクトロニクス産業は、徹底的な国内設備投資回帰です。とにかく国内に設備投資をする。理由の第一は、先ほど言った知財権の流出を防ぐ。2番目は、垂直統合で立ち上げないと旬の時期に間に合わない。デジタル家電というのは旬の時間は2ヵ月半か3ヵ月しかないんです。一気にやらないとだめなんで、海外になんかに持っていく暇がない。実は自動車もそれは同じです。
目が離せない北部九州
自動車で気をつけなければいけないのは、トヨタ、日産、ホンダの戦略です。もう世界制覇しか考えていません。5年後の姿で、トヨタはもちろん世界ナンバーワン、日産は世界第2位、ホンダは世界第3位です。「金、銀、銅独占」しか考えていない。ですから、奥田さん(碩トヨタ自動車会長)にしても、誰にしても奥ゆかしいことを言っているけれども、本音は世界制覇してやろうと思っていますから、本当はすごい戦略を持っている。
ここも国内設備投資に回帰しているということです。トヨタさんは福岡県刈田町に30万平方メートルとって、ついに23年ぶりにエンジン工場を作ります。これはたいへんなことです。同時に大分県中津にダイハツ工業がどでかい新鋭工場を近々立ち上げます。そこからわずか数キロ離れたところに日産九州があるんですけれども、今、大型増強計画を立てている。北部九州の福岡から大分エリアだけで65万台体制がもう構築されているんです。彼らの増産計画を全部足すと、2年か3年以内に北部九州だけで100万台体制ができる。自動車は国内500万台ぐらいです。そのうち5分のーを北部九州で、となるわけです。
おまけに、そこからわずか1時間の上海ゾーンに日本の自動車メーカーは全部拠点を設けた。上海周辺だけで100万台体制を作る。上海周辺の100万台と北部九州の100万台を合わせて200万台体制でしょう。完全に「デトロイト」ですよ。まさにあそこがコアになってくる。
しかも、九州はシリコンアイランドで、半導体産業の4割が集積しています。まさに、自動車技術と半導体技術があの北部九州で融合してくる。これが日本の得意わざというか、これからの勝負わざになってくるんですね。それは北部九州で行われる。
液晶メーカーの売上推移を見ると、シャープが国内では断トツです。大差をつけている。外国メーカー、LGとかサムスンもほとんど同じ、わずかに上回っています。僕のところのデータで言うと、サムスンが去年7700億円、LGが7500億円です。シャープが7300億円。あまり差はない。液品に関しては、これが世界3強です。
ただ、国内2位のセイコーエプソンと6位の三洋電機は近々、会社を合併します。三洋エプソンイメージングデバイスという新会社を作ります。連合軍結成ですね。売り上げは合計で4000億円以上ですから、かなりの金額で第2位に上がってくる。そういう合従連衡が行われます。
3位の東芝松下ディスプレイテクノロジーは、シンガポールに1500億円突っ込んで、普通の液晶ではない、低温ポリシリコン液晶という、ものすごく精彩で画像が早くて鮮明なハイレベルの液晶で勝負をかけています。低温ポリシリコン液晶では世界一だと思います。東芝松下は付加価値をつけているわけです。
それから、日立ディスプレイですけれども、この会社をばかにしちゃいけないですね。日立なんかもうだめじゃんと思っている人もいるけれども、そんなことはない。僕は調べてみて驚きました。携帯電話の液晶の世界シェアの4割は日立が持っている。大型はあきらめたけれども、携帯電話用のTFT液晶では世界第一位、ぶっち切りの40%のシェアを持っている。ですから、日立はまさに復活してきたんですね。しかも中小型だけでやめているかと思ったら、今度、あろうことか松下と組むんですよね。東芝も仲間に引き入れちゃう。東芝、松下、日立で連合軍をつくって、千葉に1000億円かけて新工場を作るんですよ。これはテレビ用の液晶を作ろうという工場です。
簡単に言うと、シャープが液晶に関しては独り勝ちですから、シャープに対する連合軍結成ですね。日立と松下と東芝が連合軍をやってシャープに戦いを挑むという形になる。そういう動きがあります。下位メーカーで一つだけ注目しているのは、9位にいるC**計算機です。2003年度の伸び率では、居並ぶメーカーの中でプラス62%。伸び率だけならシャープの比ではない、ものすごく伸びています。こちらはデジタルカメラです。デジカメが使っている液晶は、世界の4割から5割はC**が作っている。デジカメ用の液晶では世界一の技術を持っている。ですから、僕は穴馬だと思っています。
おまけに、C**計算機は液晶の中でもまったくの新技術を今、作ろうとしています。これはK*県と共同開発しているんですけれども、普通の液晶はアモルファスシリコンと言われるシリコンで作っている。半導体と同じ材料です。けれども、C**計算機は酸化亜鉛で液晶を作ろうと思いついて、開発段階ではほとんど成功しています。
あとはいつ量産工場を建てるかです。酸化亜鉛にすればシリコン液晶よりも材料コストが10分の1になる。めちゃめちゃ安い液晶が作れるのです。C**がやる開発ですから、高い開発はしません(笑)。するわけがない。社風に合わない。安いものを開発する。だから、ちょっと注目しています。
次に設備投資では、シャープを除いては今あまりやっていません。プラズマとかそっちに投資していますから、している暇がないんですね。
(続く)