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http://www.kahoku.co.jp/news/2006/02/20060226t13023.htm
トリノ冬季五輪で荒川静香選手(24)=プリンスホテル、宮城・東北高―早大出=が金メダルを獲得したことで、フィギュアスケートが脚光を浴びる中、荒川選手を育てた宮城県では、皮肉なことに練習環境の悪化が深刻になっている。「第2、第3の荒川」を目指す子どもたちの夢が一層膨らむ一方、スケート場不足に加え、指導者、選手の流出も始まりつつあり、金メダリスト誕生の陰で関係者の悩みは深い。
1998年長野五輪に出場した荒川ら4選手が育った仙台市泉区の民間リンクは04年末、経営難で閉鎖された。仙台圏に現在あるリンクは2カ所。宮城県大和町のウェルサンピアみやぎ泉は冬季のみの営業で、通年営業は青葉区の勝山スケーティングクラブしかない。
リンクでは一般営業時間のジャンプは禁止されており、選手が本格的に練習するのは貸し切り時間に限られる。フィギュア、アイスホッケー、ショートトラックと、各種目の練習時間が集中するため、昨年のオフシーズンは、多くの選手が他県への遠征を強いられた。
来季は指導者や有力選手の流出にも拍車がかかる。荒川選手の恩師、長久保裕氏(59)が今春、「安定した練習場所を確保したい」と、名古屋市のリンクへ移籍する。全国大会で優勝経験がある宮城FSCのジュニア選手ら「金の卵」数人が、長久保氏と行動を共にするとみられる。
宮城は、94年リレハンメル五輪から4大会連続で五輪に選手を送り出したフィギュア王国。宮城県スケート連盟の五十嵐一弥会長は「スケートが注目を集めたこの機会に、通年リンクの整備など議論の高まりを期待したい」と、環境整備の重要性を強調する。
関係者からは「荒川選手が育ったリンクは、設備がまだ残っている。何とかして再開できないか」との声も出始めた。日本フィギュア界初の金メダリストを生んだ王国は、懸命に生き残りの道を模索している。
2006年02月25日土曜日