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鷹眼乃見物さんの優れたご投稿:『グローバリズムの進展で崩壊の一途を辿る「日本の原風景」』〜『Re:【関連情報】「限界集落」の定義 』に触発されて、高知県の限界集落界隈の地域づくり、地域おこしの情報を発信しているブログ=バーチャル[こうち自然村](by 大野晃村長)の『限界集落』を紹介:
四万十川 |
平成3年当時、高知大学教授だった大野晃・長野大教授が発表した概念。65歳以上の高齢者が集落人口の50%を越え、独居老人世帯が増加し、冠婚葬祭など集落の社会的共同生活の維持が困難な状況におかれている集落をそう呼んだ。
また、大野教授は65歳以上の高齢者が自治体人口の半数を超え、住民税など税収入の減少と高齢者医療・福祉関連の支出の増大という状況の中で、財政維持が困難な状態に置かれた自治体を「限界自治体」と呼んでいる。
大野 晃(長野県)
四万十の川面に映るむら姿
暮らしみつめて秋雲流る
■ 限界集落
これは、四万十川中流域の十和村にある小野集落を初めて訪れた時に詠んだものである。あれからもう30年が過ぎている。夏の調査を終えた最後の夜は、きまって河原が酒宴の舞台になる。涼風に誘われ三三五五河原へ降りてくるむらの衆。自分の座る平らな石を探してきて銘々が焚火を囲むシワ深い顔々。
アユ掛け名人のカン兄。政治談義が好きなシゲ兄とカー姉。ハーモニカが得意なタケ兄とヨシ子さん。アコーディオンの名手ヒデ兄とフミ子さん。むらに古くから伝わる念仏踊りの踊り手トク爺さん。いつも元気だ。遅れてカン兄の嫁さんが・・・。
夏の夜空を焦がした焚火が、おきになると、その上に金網がのせられ、元気のいいテナガエビが塩をふられ網の上で踊り出す。踊り疲れて赤くなるのを待って男どもは一斉にエビを丸ごと口に入れ、茶碗酒を一気にあおる。
時間をかけてじっくり焙った竹串のアユが口に入る頃には、次々に歌や踊りがとび出し、女衆の手拍子と合の手が続く。夜更けと、ともに歌声が漆黒の闇に消え去ると、河原はせせらぎだけの静寂の世界にかえり、むらは深い眠りに入る。
流域のむら人の暮らしに深く溶け込み、むら人の暮らしをじっとみつめつづけている大河、これが日本最後の清流四万十川である。
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[プロフィール]
高知大学名誉教授、前北見工業大学教授、現長野大学教授
専門は地域社会学、環境社会学、山村社会学で、長年にわたる、山村を中心とした高齢者の生活実態調査を通して明らかにした、「限界集落」は、現代山村を特質づけるものとして学会のみならず、テレビ新聞等で取り上げられ全国各地で大きな反響を呼んでいます。
現在、高知県の山村をはじめ全国各地の地域問題の調査研究を継続するかたわら、これまでの研究成果を生かし、山村再生への具体的政策提起を行うとともに、地域の新しい担い手の育成を目指し、住民の政策・企画立案能力を高めていくための地域づくりアドバイザーとしても活躍中。
『昨日、20日ぶりに、北海道から、長野に帰ってきました。登学しましたら、高知からの「四万十川百人一首」の、ご案内の手紙がきていました。遅くなりましたが、四万十川の短歌・コメントを同封しましたのでよろしく。10月、四万十川に講演に行きます。(大野・17.8.23)』