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【拓銀の資料公開】 「しんぶん赤旗」11月4日 14面(記事には内部資料のコピー画像も添付)
「蟹工船」などの作品で知られる日本の代表的なプロレタリア作家・小林多喜二(一九〇三〜三三年)。勤務先の旧拓殖銀行を小説「不在地主」の発表が直接の理由で、「依願退職というかたちで解雇」されたことは知られていましたが、拓銀側の当時の資料で、その詳細が判明しました。
三日、市立小樽文学館が拓銀内部資料を一般公開し、明らかになったもの。拓銀から今年七月に、「行員の賞罰に関する書類」などの内部資料を寄贈された同文学館が発見しました。
同資料によれば、多喜二は拓銀小樽支店で書記をしていましたが、一九二九年十一月十六日付で「依願解職」(諭旨)と記されています。
その理由として、「左傾思想ヲ抱キ『蟹工船』『九二八年三月一五日』『不在地主』等ノ文芸書刊行書中当行名明示等言語道断ノ所為アリシニ因ル」と書かれ、欄外には「書籍発行銀行攻撃」と記されています。
また退職金手当金も、半額の「五六〇円」に減らされたことが書かれています。
同文学館の玉川薫副館長は「多喜二が拓銀を辞めさせられた理由が、作品で銀行名を明示して『攻撃』したことであったことがわかる貴重な資料」と話しています。
「依願退職」ということがいわれていたことについて多喜二・百合子研究会の大田努さんは、「多喜二本人は、当時の書簡で『勤めの方が首になってしまいました』と書いており、それが今回裏付けられたものです。これまで手塚英孝氏の評伝で『依願退職というかたちで解雇された』とあることから、誤解が生まれたものでしょう」とのべています。