★阿修羅♪ > 地域9 > 228.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.saitama-np.co.jp/news10/08/16l.htm
約二百五十年前の建立以来、初の本格修復工事が進む妻沼聖天山(熊谷市妻沼)の装飾彫刻を集めた特別展が八日から、さいたま市大宮区の県立博物館で始まる。国重要文化財の社殿「歓喜院聖天堂」から取り外した彫刻を間近に見られる。
同館は「数百年に一度の機会。華麗な文化財の魅力を至近距離で感じてほしい」としている。
色彩復元工事控え
「数百年に1度」
妻沼聖天山は日本三大聖天の一つで「埼玉の小日光」ともいわれる。
旧妻沼町ゆかりの武将斎藤別当実盛が一一七九(治承三)年に創建したが、江戸時代に焼失。現在の建物は二十五年の歳月を費やし、一七六〇(宝暦十)年に完成した。
歓喜院聖天堂は外壁を埋め尽くす極彩色の彫刻で知られる。建立当時の色を復元するため昨年十月から五カ年計画で修復工事中。
同彫刻群について、文化財建造物保存技術協会は修復前の調査で「日光の社寺建築にひけをとらない密度の濃いもの」と評価している。
特別展のメーンは、本殿の壁を飾る「大羽目彫刻」の展示。
七福神や唐子(からこ)が遊ぶ図柄を浮き彫りにした縦一・八メートル、横一・三メートル〜一・五メートルの作品七枚で、高欄下部にある「縁下腰羽目彫刻」九枚と並べる。精密に彫り上げ、細かく彩色を施した繊細な技術を存分に楽しめそうだ。
対面には、修復にあたり作成した大羽目彫刻の復元図を展示。建立当時と二〇〇八年の修復完成時の姿が想像できる。
ほかにも社殿の軒下や縁の下などを飾る獅子やサル、リスなど小動物の彫刻、建立当時の完成予想図(設計図)など聖天山に残る絵図や文書を展示。
忍藩(現行田市)第十六代忍当主だった成田長泰が奉納した明代の織物「紵絲斗帳(ちょしとちょう)」、南北朝時代に奉納された鰐口(わにぐち)=いずれも県指定文化財=も見られる。
十一月二十日まで。一般五百円、高校生・大学生二百五十円。問い合わせは同館(電話048・645・8171)へ。