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東名遺跡で多数見つかるアゲマキガイ。現代でも好きな人は多い=佐賀県提供
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20050806k0000m040162000c.html
有明海に近い縄文時代早期(約7000年前)の東名(ひがしみょう)遺跡(佐賀市)内の貝塚で、出土する食用貝はアゲマキガイなど美味な貝ばかり5種類でほぼ占められることが、千葉県立中央博物館の黒住耐二上席研究員の調査で分かった。アゲマキガイは現在でも有明海特産として人気が高い。グルメブックはないが、東名遺跡の縄文人は意外に食通だったといえそうだ。
調査は昨年夏に行った。貝塚の一定区域内にあった貝殻の破片を採取し分類した結果、食用貝はヤマトシジミが最も多く、次いでアゲマキガイとハイガイが目立ち、マガキとスミノエガキもあり、合わせて5種だった。いずれも現在も食用にされている。中でも、海底の砂の中に50センチも潜って生息するアゲマキガイは取るのに苦労するが、味にうるさい人に人気だ。
しかし、ハイガイと同じ泥の中にいるゴマフダマとテリザクラは見つからず、他の貝塚でよく見つかるウミニナ類もほとんど出なかった。これらは食用だが、現在でも食べる人は少ない。
また、東名貝塚からは死んだ二枚貝の中の泥にすむ小さな貝も見つかっていない。この貝は他の貝塚では一般的だが、東名の縄文人は生きていて食べられる貝だけを持ち帰ったらしく、貝の選別に対する意識の強さが、ここからもうかがえるという。
東名貝塚は、03年5月に見つかった。広さ約1250平方メートルと見積もられ、縄文時代早期としては西日本最大級とされる。黒住さんは「貝を選んで食べていたのがこの貝塚だけなのか、他にもあるか、今後の貝塚研究の注目点だ」と話している。【去石信一】
毎日新聞 2005年8月6日 3時00分