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http://www.asahi.com/national/update/0621/TKY200506210147.html
2005年06月21日11時22分
今春の入学式で「君が代」斉唱時に起立しなかったとして、5月末に停職1カ月の処分を受けた東京都立川市の中学教諭が連日、朝から夕方まで学校の正門前で、処分の不当性を訴えている。約120人の研究者も21日、「処分は憲法などに違反する」とする抗議声明を発表した。
抗議しているのは、立川市立立川二中の家庭科教諭、根津公子さん(54)。都教委が教職員に君が代斉唱時の起立を義務づけた03年秋以降、停職処分を受けた初めてのケース。根津さんを含めて公立学校教職員10人が懲戒処分を受けた。
根津さんはこれまで、校長による国旗・国歌の指導を「マインドコントロール」で判断力を失ったオウム真理教信徒になぞらえたプリント教材を使って授業したとして、八王子市教委から訓告処分を受け、同市を相手に損害賠償を求める裁判を起こすなどしている。
今回の停職処分後、根津さんは5月31日からほぼ毎日、「私が起立しなかったことで迷惑を受けた人はいますか?」「私はまちがっていると思うことには、命令でもしたがえないのです」と書いたプラカードを置いて、朝の通学時から夕方の下校時まで正門前で座り込みを続けている。
こうした根津さんの行動への反応も様々だ。「子どもがおびえている」という親からの批判的な反応がある一方、下校時には次々に生徒が駆け寄り、「先生、頑張って」「うちのおやじも応援しているよ」と励ます姿があった。
根津さんは話しかけてきた生徒たちに「時代によって常識は変わる。あと何十年かしたら、この処分もおかしいということになっているかもしれないわよ」と話す。
根津さんらの処分に対し、堀尾輝久・東大名誉教授(教育学)や西原博史・早稲田大教授(憲法学)ら研究者122人が抗議声明を発表。「個々の職員に起立・斉唱するよう職務命令を発し、その違反を理由に処分することは憲法と教育基本法に違反する」とする声明を発表。22日にも都教委を訪ね、手渡すという。