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@秋田 映画:「時代を撃て・多喜二」来月公開 池田監督「今に通じる何か、感じ
て」(毎日新聞)
大館市生まれのプロレタリア作家、小林多喜二(1903〜1933)を描い
たドキュメンタリー映画「時代(とき)を撃て・多喜二」が6〜7月、県内各地
で上映される。上映を前に、池田博穂監督(55)が毎日新聞秋田支局を訪れ、
「多喜二の生き方を素直に表すことで、今に通じる何かを感じてもらえるので
は」と語った。【吉野理佳】
◇「まとめて上映に感謝」
多喜二は4歳まで大館市で暮らした後、北海道小樽市に移り住み、「蟹(か
に)工船」など世界に知られる作品を書いた。上京後の33年2月20日、特高
警察に捕らえられ、拷問を受けて死亡した。
映画は大館市の現在の風景や生家跡地を含め、記録フィルムや写真、多喜二を
知る人の証言、作品朗読などで多喜二の足跡を紹介している。母セキが多喜二の
遺体に寄り添う写真を紹介する場面では、秋田市出身の女優・浅利香津代さんが
記録小説「二月二十日のあと」を秋田弁で朗読し、セキの深い悲しみを表現して
いる。
池田監督も秋田県(旧大曲市)出身で「一つの県でこれだけまとめて上映して
もらえるのは例がなく、多喜二を愛する人たちが頑張ってくれたおかげと感謝し
ている」と話す。
見る人を飽きさせないように、テンポよく山を作りながら描いたといい、「言
論の自由、表現の自由が抹殺されていった時代の記録だが、現代はものすごく似
てきている。一人でも多くの人に見てもらい、一言でも話し合ってもらいたい。
それだけの力のある映像になっている、という自負はある」と語った。
上映は▽6月2〜3日=秋田市文化会館▽同17日=大館市民文化会館▽7月6
日=湯沢文化会館▽同7日=能代市文化会館▽同22日=大仙市立大曲中央公民館。
上映時間、チケットの問い合わせは電話018・862・9978県映画セン
ター。
◇「危険な時代」に警鐘−−シカゴ大教授、秋田で講演
多喜二研究のため小樽市に滞在し、小樽商科大学特別研究員も務めるシカゴ大
教授のノーマ・フィールドさんが秋田市内で講演した。ノーマさんは同映画に出
演し、「今の時代をこのまま放っておけば、あれと同じ危険な時代が来てしまう
のではないか」と語っている。
ノーマさんは「『なぜ(今さら)多喜二なのか』という反応や批判を受けた
が、このまま日常生活に流されていたら、本当に声を上げられなくなる。プロレ
タリア文学者がやろうとしていたことを知りたい、と思ったのは生理的欲求だっ
た」と多喜二研究を始めた理由を述べた。
また、「多喜二を語ることによって、想像もしなかった人といい出会いができ
た。多喜二に対する好奇心が、大切な価値観から来ていることの証しだと思う」
と話した。
毎日新聞 2005年5月29日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/akita/news/20050529ddlk05200159000c.html