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北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050511&j=0025&k=200505110484
【中標津】根室管内中標津町の上武佐(かみむさ)ハリストス正教会で、聖母マリアや天使長ガブリエルらを描いた聖像画(イコン)六点が見つかった。日本初の女性聖像画家、山下りん(一八五七−一九三九年)の作品とみられる。同教会では八日、キリストの復活を祝う復活祭を行ったが、準備のため六日、執事長の長屋利夫さん(78)が保管庫を整理していたところ、木製の門(王門)に六点のイコンが飾られた状態で収納されているのを見つけた。
山下りんに関する著作がある、道立函館美術館の大下智一学芸員は「写真を見た限りでは、画風などから山下作品である可能性は極めて高い。聖像画を精力的に描いた山下の作品や生涯に関心が高まったのは比較的最近だが、未発見作品の登場は、今後の研究に大いに役立つ」と話している。
長屋さんは「王門は、一九八○年に横浜ハリストス正教会が改装を行った時、聖像画を更新したため譲り受けたと聞いた。信者の財産として大切にしたい」と喜ぶ。譲り受けについては、両教会の神父がすでに代替わりしていることや、記録文書がないことから、確認はされていない。
山下の作品は、札幌や函館など国内のハリストス正教会などに約三百点が残されている。一九一九年(大正八年)にできた上武佐教会も、山下作の十二大祭画など十五点の聖像画を所有していることで知られている。
<写真:6点のイコンが飾られた王門と発見した長屋さん>
http://www.hokkaido-np.co.jp/Photo/20050511.200505110484.jpg