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柴田哲孝著『下山事件 最後の証言』(祥伝社)のお勧め【まずは読んでから】
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投稿者 古米 日時 2005 年 9 月 18 日 23:10:35: iUS9BVuLxa//2
 

柴田哲孝著『下山事件 最後の証言』(祥伝社)

この本の著者・柴田哲孝は、いつも優しい眼差しで自分を見守ってくれたという敬愛する祖父への遠い想い出から書き始める。そして、祖父の二十三回忌の法要の日の祖父の妹の突然の述懐が、著者を下山事件の謎の世界へ引き込んでいく。

祖父が勤めていた「貿易会社」、実はここに祖父の妹も勤めていたことがあり、著者のこの大叔母を通じて、「貿易会社」の奇妙な動きがまず語られる。

この会社のサロンには、右翼、やくざ、GHQ、政治家等々が出入りしていた。三浦義一、田中清玄、関山義人、児玉誉士夫、迫水久常、佐藤栄作、白洲次郎、伊藤律、キャノン機関の将校などの名前が大叔母の記憶から飛び出してくる。

巣鴨に入っていた岸信介を、GHQのキャノンと交渉して出したのがこの「貿易会社」の「総帥」であるといい、祖父は「昭電疑獄事件」に関わった、あるいは解決したとも話す。

そして著者は、今は栃木県に住む「総帥」Y氏を訪ねる。いきなり日本刀を突きつけたものの、昔の盟友の孫に対して多くの貴重な情報を提示する。

混血孤児のためのエリザベス・サンダース・ホームとCIAの関わり、吉田茂、国鉄民営化の動き、米投資銀行の存在、七三一部隊の影、鉄道弘済会の暗躍等々が、すべて下山事件につながっていることを、著者は明晰な文章で綴っていく。

著者の親族と下山事件に関する報告書の形をとりながらも、ついには下山事件の国家としての背景、黒幕、実行部隊、実行犯を明確に指摘して筆を置く。戦勝国アメリカの意思(それは今にまで続いているのだが)、政治の闇、金、それに群がる人々の悲しいまでの性が、浮き彫りにされている。

ひさびさに現れた第一級の著作。下山事件を理解するための決定版としてお勧めしたい。


(過去の投稿)
圧巻!『下山事件 最後の証言』 柴田哲孝著(祥伝社)戦後史最大の謎、ついに核心に迫る
http://www.asyura2.com/0505/war72/msg/814.html
投稿者 ジャック・どんどん

出るわ、出るわ!亜細亜産業のM資金(?)のおこぼれに預かった面々・・・吉田茂・・
http://www.asyura2.com/0505/war72/msg/841.html
投稿者 ジャック・どんどん

「葬られたのは誰か?」――週刊朝日の“下山事件”真相追究報道をめぐって浮上した疑惑
http://www.asyura2.com/0401/war48/msg/963.html
投稿者 passenger

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