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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050823it07.htm
「刺客」候補や新党設立などで衆院選が盛り上がる中、小選挙区には投票できない人たちがいる。約72万人ともされる海外暮らしの有権者だ。
一部の在外邦人が、投票権の制限は違憲だとして国を訴えた裁判は、提訴以来9年ぶりに最高裁判決が出されるが、言い渡しは衆院選投票日の3日後。海外では候補者の主張が入手しづらいなどという理由で投票が制限されているのに対し、原告たちは「今こそ外から日本を見る視点が必要なのでは」と残念がっている。
「日本にいれば、環境相が刺客として放たれた東京10区が私の地元。こんなおもしろい選挙に投票できないなんて」。原告団長で、米ロサンゼルス在住41年の建築家高瀬隼彦(はやひこ)さん(75)が悔しがる。
提訴したのは1996年11月。その3年前、非自民連立の細川護煕政権が誕生した際、海外在留邦人が国政選挙に投票できないことに疑問を感じたことがきっかけだったという。
1、2審は敗訴したが、原告らの運動も影響し、98年の公職選挙法改正で衆参の比例選に限り在外投票が認められた。だが衆院小選挙区、参院選挙区については、まだ実現していない。
その理由は、海外では各候補者の主張までは分からないだろう、先進国と途上国では情報量が違い不公平を生む――などというものだが、高瀬さんは「今やインターネット、日本のテレビの海外放送などで時間差なく情報が入る」と反論。原告の1人でフィリピン在住の日本食材店経営、島田栄さん(62)も「途上国でもネットが使える今、関心があれば情報は得られる」と強調する。
海外から一票を投じる意義について、原告団事務局長を務めるロサンゼルスのビジネスコンサルタント、若尾竜彦さん(64)はこう話す。「海外の人々は、在留邦人を通して日本を見ている。世界の中で日本が繁栄するにはどうすればいいか。そんなことを日ごろ考えている私たちの意見を国政に反映してもらいたい」
原告で英国在住の大学教授、富田庸さん(43)も「今年は中国の反日運動、靖国問題など、海外でも日本への関心が高い。こんな時こそ、大局観のある政治家に一票を投じたい」と話す。
外務省によると、在外邦人は約96万人(昨年10月現在)で、うち約72万人が有権者と推定される。
米国ではイラクの戦場から兵士たちが大統領選に一票を投じるなど、世界の多くの国では海外在住者に投票権を認めており、日本は少数派だ。最高裁は裁判官全員が参加する大法廷に審理を移しているが、どんな憲法判断を示すのか――。
(2005年8月23日15時47分 読売新聞)