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世界の誰も、ボクらのことは分からない。
米軍のイラク侵攻前夜。イラク北部クルディスタンで始まる子どもたちの物語―
戦争で荒廃した大地にたくましく生きる子どもたちと、彼らが経験する出来事を、リアリズムと幻想を混在させた力強いタッチで描いた、イランのクルド人監督バフマン・ゴバディの最新作。2003年3月に始まったアメリカ軍のイラク侵攻を背景に、ニュース映像では知ることの出来ないイラクの悲痛な現状を映し出しながら、ユーモアを忘れない温かいまなざしと、マジック・リアリズムの手法で、見る者を魅了していく。
デビュー作『酔っぱらった馬の時間』(00)に続き、再び子どもたちの世界を描くことに回帰したゴバディは、そこに未だ収束の道が見えないイラク戦争という歴史的事実を重ね合わせ、21世紀の新たな叙事詩を完成させた。
世界の映画祭で、28もの賞に輝く
ゴバディ監督は、開戦6週間後の5月1日にブッシュ米大統領が空母リンカーンでおこなった「勝利宣言」の後、同月、バグダッドで自作『わが故郷の歌』(02)を上映するためにイラクに入った。そこで見たイラクの惨状、特に子どもたちの状況が、この映画の着手を決意させたという。ゴバディは、バグダッドそしてアルビルなどの町で「戦闘終結」直後のイラクの様子をつぶさに見て回った。その上で03年秋から始まった本作の撮影はすべてイラクのクルディスタン地方で行われ、圧倒的な臨場感で米軍の侵攻が描かれている。
イラク戦争ほど世界で「戦争の大義」が問題にされたことはないだろう。しかし大義を持とうと持つまいと、戦争に巻き込まれる悲劇には何ら変わりはないということ、さらに真っ先に子どもたちを犠牲にし、その心に生涯消えない傷を残すことを、この映画はあらためて気付かせてくれる。
2004年9月、ワールドプレミアとなったスペインのサンセバスチャン国際映画祭でグランプリを受賞し、その後も欧州、アジア、北南米各地の映画祭で28に及ぶ賞に輝いている。特に観客賞の受賞が多いことは、この「リアルタイムの叙事詩」への大きな勲章である。2005年にはベルリン国際映画祭の青少年審査員部門に招待され、映画祭の全作品の中から選出される「平和映画賞」を受賞した。
2004サンセバスチャン国際映画祭グランプリ
第5回東京フィルメックス審査員特別賞、アニエスベー観客賞ダブル受賞
2004シカゴ国際映画祭審査員特別賞
2004サンパウロ国際映画祭特別観客賞
2005 ロッテルダム国際映画祭観客賞
2005 ベルリン国際映画祭平和映画賞 他
☆☆☆ 2005年9月17日(土)より、岩波ホールにて独占公開 ☆☆☆