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透明な悲しみ
http://www.asyura2.com/0505/idletalk13/msg/700.html
投稿者 都会暮らし 日時 2005 年 6 月 17 日 20:56:37: qpL7B6r4wrfEE
 

(回答先: 今も涙が止まりません。テレビではこんな映像が流れていなかった・・・・ イラク戦争民間人の犠牲者写真集 投稿者 代理投稿1 日時 2005 年 6 月 16 日 22:42:40)


本当にすごく悲しいです。今も涙が止まりません。テレビではこんな映像が流れていなかった・・・・こんなことが起きていたなんてぜんぜん気にもしていなかった・・・・このサイトを見て本当に良かったです。私には二人の子供がいますが、こんなに恵まれた環境にいることが、すごく幸せなんだと思いました。何故戦争をするのだろう・・・・みんなが平等に、幸せになる権利はあるのに・・・・・・・・・戦争をやめてほしい。罪もないのに死んでしまった人たちにご冥福を祈ります。最後に、このサイトを多くの人たちに見てもらいたいです。この世の中平和に過ごしている人たちに、このことを知ってほしいです。

まず、俺のこの一文は、上記のご投稿をされた方や、戦争犠牲者の写真へのリンクを掲載された方に向けたものでは断じてありません。
俺もこの方々と同様に「悲惨」を悲しみ、平和を願う「同胞」です。
人の書いた文章を誤読する自由は読者側にあるが、あまり甚だしく誤解されることは心外でもあり、ここに一言お断り申し上げておきます。

少し前に、俺はここ阿修羅に、こんな投稿をした。
http://www.asyura2.com/0502/bd39/msg/712.html
娘が学校で、授業の題材としてとりあげられた「はだしのゲン」の物語にふれ、酷く傷ついた話だ。

この話には後日談がある。
その前年に娘のクラスの担任だった若い女教師Mが、「はだしのゲン」を教材に選んだ学校側に、凄い剣幕で噛み付いたらしいのだ。
娘はその担任のMを、「不思議と何でも私のことをわかってくれる、ほんとのお姉ちゃんみたいな先生」と呼んで、それは慕っていた。
あの時も保健室で震え続ける娘のもとに駆けつけ、抱きしめてくれたそうだ。
娘はどんなにか、Mに救われたことだろう。

ところでごく最近、田口ランディのこんなコラムを見つけた。
ご一読いただければ幸甚だ。
http://www.melma.com/mag/26/m00001926/a00000010.html

フィルムであれ映像であれ口伝であれ、戦争の悲惨さを後世に伝えていくことは大切なことだ。
我々現代に生きる人間に過去の戦争責任はないが、もう二度と繰り返さない責任はあるのだから。

だが、だからといって、自発的に見ようとしてもいない人間に、「眼ン玉ひんむいて、これをよぅく見やがれっ!」とばかりに突きつけてくる人々の無神経さには、俺は正直言葉を失う。
いったい、何が言いたいのだ?
この世界の悲惨の全責任を、個人に背負えとでも迫っているのか?
「あなた」は無垢な戦争犠牲者の血に塗れた写真を見せられ、まっとうとも思える怒りに総毛立つかも知れないが、皆が皆、怒りを喚起させられる訳ではないのだ。
否応もなくそれらの事実を個人で引き受けてしまい、自らに刃を向けてしまう繊細な人々も大勢いることを、決して忘れないでいてほしい。
「自分がそう感じるから、人もそう感じて当然だ」という短絡は、厳に戒めてもらいたい。
人の感性というものは、他人には推し量れないものがあるのだから。

俺は、怒りでは何も解決できないだろうと思う。
怒りはまた新たな怒りを生み、その怒りはまた新たな悲惨の導火線になるだろう。
我々が真に戦争のない世界を渇望するのであれば、この怒りの連鎖をどこかで断ち切らなければならない。

この悲惨を前に、世界中の人々が「透明な悲しみ」のうちに瞑目し、それぞれの心にある神々に祈りを捧げる日がくることを願ってやまない。

深い悲しみと愛は、同じ波動をもっているのだから。

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