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以前、わたしは3日間(77時間)の昏睡状態を経験した。
血圧も相当低く、家族も覚悟をしたらしい。
その後、2ヶ月ほど入院し、無事退院できた(根治までは至らなかったが)。
その後、普段と変わらない生活に戻ってくると、急に寝る事が怖くなった。
永遠に起きないのではないか?
目を閉じたまま「無」になるのではないか?
感じた音、味、色、景色、情などを全部失ってしまうのではないか?
色々な恐怖があり、睡眠薬無しでは寝られない日々が続いた。
そんな折、友人が死んだ。
ガンがリンパを侵していた。
彼が死ぬ前日に、彼を見舞う事が出来た。
彼はわたしに云った。
「毎日、俺たちは死を経験している。それは眠るという事だ。また生に戻る事が出来るが、確かに、今までの経験やそういったものを一端捨てなければならず、戻ってこれなければそれまでなんだ。俺が見た景色や食った旨いモンは、完全に俺の世界で独占できる。また感じる事が出来るか確証はないが、何時間寝ようが、永遠に寝ようが、寝てる間に時計は関係ないだろ。」
彼のその言葉を受けて、寝るのが怖くなくなった。
ただ、寝るまでの一日を悔いなく過ごせるかが課題になった。
それは紛れも無く、「生きる」という実感である。
自殺を考えている人へ
そんな気持で眠りについても、きっとつらい眠りがあるだけだと思う。
北海道然別湖の絶景を直接見る事が出来る人は、日本中でも少ないと思う。
それを見て、感じたわたしという者は、確かに存在した。
眠りに付いたわたしは、決してその風景を忘れないだろう。
死とは、ただ眠るという事なのだから。