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テレビで、全部ではないが選挙後の小泉の記者会見を見た。勝者のイメージとはかなり違う印象だった。疲れていたのだろうか、それにしても不思議だった。笑いもせず、陰鬱な表情で、流暢ではなく、慎重にポツポツとしゃべり、目に明るさはなく時々空ろに光る。そこで気がついたのは、2001年9月11日、例のニューヨーク、ワシントン同時多発事件の翌日にテレビの前に初めて姿を見せたブッシュ大統領の複雑な表情との類似性である。よく覚えている。あれは何か変だった。いやーな顔つきだった。テロ攻撃に対するオドロキや怒りの顔ではなく、そこには、言ってみれば必死になって内心の罪悪感みたいなものを表に出すまいと耐えているような苦しげな影があった。今回の小泉の、選挙後の初会見の表情も同種の暗さを帯びていた。内心のうしろめたさを押し殺しているような印象を受けた。
小泉自身も、自民党がこんなに大勝するとは思っていなかったに違いない。選挙期間中の彼の顔つきは危機感そのものだった。それが意想外の圧倒的勝利に終わった。これほど多くの有権者が自分についてきてくれる。恐らく彼は、自分を支持した国民の予想以上のバカさ加減に驚く一方、空恐ろしくなったのだ。それが記者会見時の表情に出ている。なぜなら、彼は郵政民営化について国民を騙しているからだ。ブッシュとの“約束”で、何が何でも法案を通さねばならない。法案を通してブッシュを喜ばせ、ハイエナ外資にチャンスを与え、いずれは米国の財政改善に寄与する。それが、刺客まで送り込み、マドンナを舞台に大勢並ばせて戦った最大の目的だからだ。小泉はその舞台裏を国民に対して極力隠してきた。今も隠している。心の中はうしろめたいに決まっているのだ。堕落したメディアはそういったことを掘り下げない。
しかし、毒食らわば皿まで。こうなれば彼は行くところまで行くほかないだろう。こうして、ファシストは誕生する。ファシズムや軍国主義は、世論が先導する形を取るものである。