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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-06-19/14_01.html
自衛官が「産経」で記者研修
防衛庁、92年から計36人派遣
新聞記者だと思って取材に応じていたら、実は自衛官だった―。産経新聞社が防衛庁の要請を受け、一九九二年から毎年二―三人、合計三十六人(今年度を含め)の自衛官を派遣研修という名目で一年間受け入れ、社会部や政治部などで取材活動に当たっていたことが分かりました。
研修を受けていたのは、昨年度の場合、陸海空自衛隊からそれぞれ三佐(少佐)クラスを一人ずつ計三人。社会部や政治部、経済部、運動部を数カ月ずつで異動、一年間の研修を終えたといいます。なかには官邸記者クラブで総理番記者を務めた自衛官もいます。野党クラブに在籍した可能性もあります。
自衛官の産経新聞への派遣研修については、防衛庁も事実を認めました。
産経新聞は防衛庁の要請を受け入れた理由について「人材交流はこばむ理由がないので受け入れた。とくにこういうメリットがあるというようなことは考えていない」としています。
この問題を特集した『週刊金曜日』六月十一日号によると、全国紙五社のうち、防衛庁から派遣の要請があったのも、研修を受け入れたのも産経だけです。
自衛隊には、民間人まで監視の対象にした情報組織、調査隊があります。研修メンバーに調査隊員がふくまれているかどうかについて、防衛庁は明らかにせず、産経新聞側は「それ(調査隊員の派遣)はないでしょう」とのべているだけです。
マスコミ浸透狙う
丸山重威関東学院大学教授(マスコミ論)の話
自衛隊の住民・教育浸透作戦は、夏休みの「ちびっ子ヤング大会」などのほか、総合学習を利用して見学を勧めたり、男女大学生の体験入隊、キャンプなどと広がっている。今回の例はマスコミ浸透作戦の一環だろうが、取材相手に説明しているのだろうか。相手が自衛官と思わないで取材に応じるとすれば問題があるだろう。報道機関としての矜持(きょうじ=自負、誇り)が必要だと思う。