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Re: 失礼ですが、もう少し勉強された方がよい。
http://www.asyura2.com/0505/hihyo1/msg/363.html
投稿者 南青山 日時 2005 年 9 月 13 日 09:28:46: ahR4ulk6JJ6HU
 

(回答先: 情報伝達における「書く者のレベル」と「読む者のレベル」 投稿者 鹿ヶ谷 日時 2005 年 9 月 13 日 02:27:52)

まず、アメリカの広告業界の心理操作について「心理的操作の研究は北米ではかなり進んでいるのではないでしょうか。」と書かれていますが、こうした分野の最初の基本的研究書『潜在意識の誘惑』が書かれたのは1973年(邦訳は1992年)、マクルーハンの代表的なメディア批判『人間拡張の原理――メディアの理解』は1964年(邦訳は1967年、ただし現在は絶版で、みすず書房から新訳で『メディア論―人間の拡張の諸相』として発行されている)に書かれています。
これらは研究書だから、アメリカ広告業界で心理操作的手法が盛んに行われたのは、1950〜60年代と考えていいでしょう。
広告業界の心理操作については、「かなり進んでいる」というよりは、研究され尽くした古典的手法と考えるべきです(業界関係者なら基本常識の部類でしょう)。

ちなみに、アメリカでは1950年代後半に広告中でのサブリミナル効果の使用が禁じられているといいます。
(サブリミナル効果の分かりやす解説は以下で。
http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/socpsy/akira/media/sub.htm
http://www.genic-net.com/103/KOUKA.html
下のサイトは少々眉唾な感じもあるサイトだが、今回の選挙結果を考える上で参考になる情報がある)
そういえば、「刑事コロンボ」でも、サブリミナル効果を使って犯人を探し出すというエピソードがありまし(「意識下の映像」1973年制作、日本では1974年に放映)が、サブリミナル効果自体は、科学的に証明されているわけではありません(実効性については、半ば似非科学の部類に入るものと考えています)。

>映像メディアそのものの伝えるものは「内容(中身)」でなく、「それそのもの」であると考えると選挙結果は解散時にすでに予想がついていたのです。

これも、小生の見方は違っています。
解散時には、選挙結果は不確定だった(どちらにも転びうる、どちらも過半数が取れない可能性もあった)と今も考えています。
理由は、
(1)小泉は解散以外に道はなかった(破れかぶれ解散というのが正しい)。結果が出てから、すべて計算ずくという解説が飛び交っているが、それはないだろう。最初に退路を断たれたのは小泉側なのであり、それゆえ腹をくくれたのだろう。その先は小泉でも計算できなかったのではないか。
(2)解散時点でも国民の郵政民営化に対する関心度は低かった。要するに第一の争点ではなかった。
(3)小泉は4年間で何の成果もあげていなかった。

それが一方的な展開になったのは、
(1)岡田民主党の予想外の拙劣な選挙戦術。小泉が勝ったというより、岡田が負けたと考えるべき。
(2)小生にとって大きく予想と違ったのは、TV、全国紙の全面的な小泉陣営応援団化、有り体に言えば露骨な情報操作が行われたことだ。とくにTVは、解散後、それまでたいした関心を持っていなかったはずのTVコメンテーター、芸能人が突然、小泉応援団化、郵政民営化賛成論者に変身し(あのホリエモンが「郵政民営化に賛成です」といったときには、本当に驚いた)、郵政民営化の正しさをそれこそ呪文のごとく唱え始めた。それほど多くのチャンネルを見たわけではないが、いちばん公平だったのはNHKだった(笑えないが)。

現在、小泉の天才的な政治手法を賞賛する声があがり始めていますが、どう見ても彼は巧妙な演出家というよりもたんなる(ワンフレーズの繰り返しと、大時代な演技しかできない)大根役者であり、彼を背後で支えた組織、システムをこそ追求しなければならないと考えています。
そして、その大根役者をここまで支えた一端に、TV、全国紙などのマスメディアがあります。
メディア関係者、広告業界に関係のある人なら、(2)のメディアの大政翼賛会化について、もっと精緻に分析し、追求し、批判すべきだでしょう。

「ソシュールのラング、パロール」という言葉が突然出てきますが、ソシュールのいうラングとは(極限的に簡単にいえば)共時・通時的な、しかし不可視の社会言語システムであり、パロールとは個々の具体的な発話行為の謂です。
以下に続く、ある言語表現が多義的であり、決定不能であるという事例とは、あまり関係はないと思います。

また、それに続く小泉の勝因分析は、小生にはあまりに表層的すぎる気がします。
今回の選挙結果について、ある局面だけを取り出して勝因分析するのは、(今後の民主党の選挙戦略、戦術を考える上でも)非常に危険であることを指摘しておきます。

最後に、「情報への無防備さ、リテラシー教育の欠如」を招いた遠因が「敗戦後、GHQ主導の法律や、強制ギブスのような無個性偏差値教育に突き当たらざるをえない」という下りについて。
これには非常に驚かされました。
ここの部分がなかったら、このような文章を書くことななかったかもしれないません。
タイトルを勉強不足としたのも、この部分を呼んだ結果です。
少し考えればわかると思いますが、では、戦前の日本国民は情報に対して無防備でもなく、リテラシー教育も万全だったのでしょうか(今回のメディアの大政翼賛化に二重写しになるのは、まさに先の戦争に突入する前後の日本です)。
また、「情報への無防備さ、リテラシー教育の欠如」について、GHQ主導の法律や、強制ギブスのような無個性偏差値教育に要因を求めるのも反対です。
無個性偏差値教育でも、リテラシー教育は可能です。
義務教育の期間で「情報への無防備さ、リテラシー教育の欠如」が行われているとしたら、それは文部省の主導であり、もとをたどれば政権与党の政策まで行くでしょう。

さらに、「この島国日本は、村八分のなごりというか、何にでも適応してしまう連体、集団意識を重んじる風習がまだ根付いています。それらを形成した地盤は仏教の存在にあるのでしょう」という一文には再びびっくりしました、いったい何時の時代の人なのかと。
仏教および日本の政治風土、政治思想史についてきちんと学び直した方が良いと思います(それともこの仏教徒は創価学会のことを指しているのでしょうか?)
「世界を見渡しても日本人ほど情報操作で操りやすい国民は他に居ないのではと思います」というところも、では9.11直後のアメリカ国民と現在の日本と比べてどちらが情報操作で操りやすい国民か、考えてみたらいかがでしょうか。
「情報伝達の研究の怖さを軽視していただきたくない」という言葉は、鹿ヶ谷さんにこそ当てはまるのではないかと思った次第です。

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