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本日午後10時からのテレビ朝日「ニュースステーション」で7政党の討論会が行われた。
出席者は自民党安倍氏・民主党菅氏・公明党山口氏・共産党市田氏(中継)・社民党又市氏・国民新党綿貫氏・新党日本小林氏である。
内容そのものは、綿貫氏を除けば党首ではないこともあって、ざっくばらんな話も出てそこそこ面白いものだった。(時間が短かったのが惜しまれる)
問題は、古舘氏の司会ぶりである。
古舘氏が持っている価値観や政策判断をとやかく言う気はないが、政党討論会の司会者としての立場から逸脱した言動は許しがたい。
政党討論会の司会者は、討論のテーマを示したり発言者を指名することが主たる役割で、発言者が曖昧な説明をしたときにツッコミを入れる程度でなければならないと考えている。
とりわけ総選挙中の政党討論会は各政党の得票に直接つながるものであり、司会者は、自分の発言がそれを動かしてしまうような言動を厳に慎まなければならない。
ところが、古舘氏は、政党討論会の場で自分の主張を声高に叫ぶという政党討論会司会者としてやってはならない言動を数度にわたって行った。
ひとつは、新党日本の小林氏が「郵政民営化法案が昨年行われた小泉−ブッシュ会談の合意を受けて進められたものであることをマスコミはまったく取り上げない」(趣旨)とか、「米国の対日要望書のなかにもきちんと書かれている」(趣旨)と発言したときである。(共産党の市田氏も、米国の銀行業界や生保業界が日本にやってきて郵政問題で交渉をしている問題を取り上げた)
小林氏の発言を聞いた古舘氏は、突然、「340兆円がハゲタカにたちまち食い散らかされるなんて信じられるわけないでしょ。」(趣旨)、「日本がアメリカに340兆円の金融資産を引き渡すなんてことがあるわけないじゃですか!」(趣旨)と声を荒げて反論した。(「陰謀論」みたいなことを言うんじゃない!というニュアンスを感じた)
古舘氏と同じような反論が、自民党の安倍氏など出席した他の政党から出たのなら問題視しない。
しかし、司会者でしかない古舘氏が、郵政民営化法案の一つの争点でもある話(外資規制)を蹴散らすような言動をしたことを見過ごすことはできない。
古舘氏は、頭のなかで叫んだようなことを思っているとしても、それを口に出すのではなく、他の討論参加者にことの真偽を確認しなければならない立場なのである。
例えば「安部さん、ああいう話も出ていますが、どうなんですか?」と議論を進めるのがベストであり、自分がそんなことはないと“確信”していても、「どうやって郵政の資金をアメリカに渡すと考えているのか説明してください」というツッコミを入れるのがベターな手順である。
重要問題に関して司会者の役割を超えた古舘氏の言動に、討論参加者のなかから異議が申し立てられなかったことにもがっかりした。
もう一つは「改革」の手順について民主党の菅氏に質問したときである。
菅氏が「郵政が本丸だとしても本丸は最後に攻めるところ」(趣旨)と発言すると、古舘氏は、これまた司会者ではなく討論者(政党からの参加者)のように「順序はいろいろあるかもしれないが、本丸からでも改革をやっていけばいいんじゃないですか!」(趣旨)と反論を展開した。
討論会に出席した自民党安倍氏や公明党山口氏は、自分たちが言えばゴマカシやスリカエに思われてしまうかもしれない内容を、中立であると視聴者に思われている司会者・古舘氏に語ってもらったことでずいぶん得したと思っていることだろう。
古舘氏には、今後、討論会を仕切る役割からは身を引くべきだと申し上げておく。
テレビ朝日の責任者は、今日の政党討論会での古舘氏の司会者ぶりを厳正にチェックし、古舘氏は政党討論会の司会者としての適性があるかどうかを判断していただきたい。