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(回答先: インフルエンザ薬:タミフルで異常行動死 少年2人 [毎日新聞] 投稿者 辺土名ニーチェ太郎@貴族道徳 日時 2005 年 11 月 12 日 03:38:22)
◇米も本腰、厳戒態勢
新型インフルエンザの発生に、世界各国で危機感が強まっている。鳥インフルエンザが人に発症した例は東南アジア地域だけだが、欧米でも鳥への感染が広がっている。ブッシュ米大統領が1日、「国家戦略」として対策を発表するなど、欧米各国の動きは急だ。一方で、日本政府の対応は遅れている。「いかなる国もこの脅威を無視しえない」とブッシュ大統領は強調した。有効な対応策を求め、各国の模索が続く。【玉木達也、高木昭午、ワシントン笠原敏彦、ジュネーブ澤田克己】
「流行病は森林火災に似ている。早く対処すれば限定的な被害で消し止められるが、くすぶっているのを見逃せば我々の制御能力を超える地獄の炎に広がりかねない」
ブッシュ大統領は1日、30分近くにわたった演説で、鳥インフルエンザのウイルスが変異して世界的大流行に発展する危険に警鐘を鳴らした。
発表された新型インフルエンザ対策は、71億ドル(約8300億円)を投入して世界規模での予防体制整備、ワクチンの開発・備蓄、米国各地の対策支援に努めるという包括的内容。それは生物兵器テロ対策にもなると、戦略的意味も付け加えた。
先行した英仏など欧州各国の対策に比べ、注目されるのは、最大比率を占める28億ドルを、ワクチン製造技術につぎ込む点だ。大統領は、「タミフル」など既存の抗ウイルス剤の備蓄も進めるが、この種の薬剤は新型インフルエンザの感染防止には役立たないと指摘。実際の流行後、新たなワクチンを短期間で製造する技術開発が被害抑制のカギと強調し、細胞培養によるワクチン量産を目指す方針を示した。
米政府が対策に本腰を入れ始めたのは9月。毒性の強いウイルスの感染が欧州に広がり、毒性の弱いウイルスしか確認されていなかった米国内でも危機感が高まったことと、ブッシュ政権が大型ハリケーン「カトリーナ」対策で厳しい批判を浴び、もう失態は許されない事情が背景にある。
米国ではここ数年、アフリカの風土病・西ナイル熱の患者発生や、通常のインフルエンザワクチンの不足が市民の不安を招いてきた。それだけに鳥インフルエンザへの関心も高く、ワシントン・ポスト紙は、市民がタミフルを購入すべきかといった記事も掲載している。
このタミフルの製造元はスイス・バーゼルのロシュ社だが、各国の対策の余波で不足が深刻だ。
国連は10月6日、各機関に職員と家族の3割に当たる人数分のタミフルを備蓄するよう求めた。しかし、ジュネーブに本部を置く国際機関の幹部は「約3600人分のタミフルを注文したが、納品は来年6月だと言われた。どうしようもない」と苦笑する。ロシュ社の広報担当者は「国家備蓄だけで40カ国から注文が来ている。最近になって発注数を積み増した国もあり、供給が追いついていない」と説明した。
◇対応遅れる日本
日本の対応は遅れている。世界保健機関(WHO)は今年5月、「世界インフルエンザ事前対策計画」を発表し、各国に対策計画の策定を勧告したが、日本の作業が本格化したのはごく最近だ。10月24、25日にカナダで開かれた世界30カ国閣僚級会合に参加し、各国の強い危機感を実感した厚生労働省は、10月28日にようやく新型インフルエンザ対策推進本部を設置。「今月中には行動計画を完成させたい」と徹夜の作業を続けている。
行動計画は「予防と封じ込め」「医療」「情報提供」などが中心で、感染の広がりとともに「発生地域への渡航自粛勧告」「学校の休校、大規模集会自粛」なども想定している。
一方、治療薬「タミフル」は、輸入・販売元の「中外製薬」によると、国内流通分で2000万人分(1日2カプセルで3日分)を確保した。厚労省は、最悪の場合、国内で2500万人の感染者を想定し、流通分に加え、国と都道府県で500万人分の備蓄を目指している。しかし、国は今月中に12万人分の確保がやっとで、都道府県の備蓄は進んでいない。タミフルは一般のインフルエンザ治療にも使われ、同数が準備された昨年度は春までに72%が供給に回ったという。日本は治療薬の確保も後手に回りかねない状態だ。
◇68人死亡、「導火線に火」状態
毒性の強いH5N1型鳥インフルエンザの人への感染が初めて確認されたのは、97年の香港だった。生きた鳥を売る市場の関係者ら18人が感染し、6人が死亡。その後ベトナム、タイ、インドネシア、カンボジアで人への感染が報告され、患者は4カ国で計122人。うち62人が死亡した。ただ、加地正郎・久留米大名誉教授(内科)は「報告は入院患者。実際の感染者はもっと多い」と推測する。
人から人への感染が確認された例はない。今のところ「鳥のウイルスが感染しやすい、まれな体質を持つ人だけが発症した」との説が有力だ。
それでも各国が警戒するのは、人から人に感染する新型ウイルスへの変異が懸念されるからだ。1918年に世界的に流行し数千万人の患者が出た「スペイン風邪」は、鳥のウイルスの変異と推測する論文も発表された。国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長も、現状を「導火線に火がついてくすぶっている状態」と指摘する。
通常のインフルエンザに効く薬は、理論的には新型ウイルスにも効くと期待されている。ただ、実際に鳥インフルエンザの発症者に正規の使用法で使われた例はなく、確認はされていない。
毎日新聞 2005年11月3日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20051103ddm003040023000c.html
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