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最近「頑張れ!頑張れ!」と声をかけることに躊躇することがある。「頑張って!」と言われると「これ以上何を・・・」と反発してみたくなる。
久し振りにNHKの『クローズアップ現代』を観た。
我が子をニートから救いたい 11月7日(月)放送
ニートになったいきさつは人それぞれだろう。確かに社会現象としてみるとこのままニートが増えると問題は深刻だ。いつか解決して自立して生きていける希望があるならば、そういった人々をモラトリアムと見守るのもよかろうと思うが。
好きでニートになったわけでないと言う人にとっては、苦悩の期間かもしれないと思ったのは、番組の中で取り上げられたケースの生き方に「ああ・・・」とへんに納得したから。
彼らの中には「頑張っているのにうまくいかなくて、心身ともに疲れきって自信をなくした」という人が少なくない。自信喪失のなかで、社会にあらめて出て行くことの不安や恐怖心を抱き、出て行けないことを周りからは責められ、ますます自信は失せ罪の意識さえ芽生える。そんな悪循環のなかでは、支える立場の家族にさえコミュニケーションの悪化をもたらす。
番組の親達は「働かない子ども」を責めてばかりいたが、カウンセリングや自助グループの場で自分を振り返り、子どもとの接点を模索していた。
ある若者は父親に「強く生きろ!泣き言をいうな」と厳しく育てられ、小さい頃から始めた野球を途中でやめたいといったときも、父親が許さなかったという。就職して残業の多い、過重労働の環境で仕事を続けられなくなった彼が、(小さい頃から植えつけられた意識の下で)自信をなくし、社会へ戻ることの不安を大きくしたのは言うまでもない。そんな彼を父親は叱咤激励し続ける。
後に第三者の助言によって、この父親は自分のやり方が息子を追い詰めている事を知り、子どもへの接し方を考え直し、関係の見直しを図る。
この親子を見ていて、不登校の子どもをもつ親の姿が重なった。根っからの怠けものというのでない限り、大抵の親や子は周りの人々がやるように一生懸命頑張るし、頑張らせる。
この「頑張る」は日本人の大好きな言葉で、私たちは小さい時からよく言われたし、言い続けてきた。
でも「頑張り方の形」は人それぞれである。頑張りのキャパシティーも人それぞれだと思う。親の価値観が子に伝受される親子関係でその歯車がかみ合わなかったら、どこかにゆがみが現れるのではないか?
たまたま番組を観ていたから「頑張ることの意味」を思い返したのだが、わが子がニートや不登校でなくても、頑張っている人を追い詰めるようなことを自分もしてはいないだろか。
10年ほど前、ちょうど大河内君が自殺した同じ時期、私の住む市でも中学生の女の子がイジメを苦に命を絶った。彼女も頑張っていたという。
その中学生のお宅で、あるご婦人が「私にもお参りさせてください」と仏前に線香を手向けられ、こんな身の上話をされた。
「もう昔の話ですが、私の娘は結婚して隣の県に住んでいました。結婚して間もないある日、娘は夫に殴られたと言って隣の県からタクシーで
戻って参りました。私は『あなたは辛抱が足りない。我慢が足りない。もっと頑張りなさい』と言って娘を嫁ぎ先にかえしました。そんなことが2度あったのです。それからしばらくして娘は自ら命を絶ってしまいました。夫の暴力に耐えかねて。本当に後悔してます。娘が助けを求めて帰ってきたときにどうして突き放してしまったのかと。唯一の味方である母親に突き放されたら絶望しますよね。10年以上たっても私は娘に申し訳なく思っています。」
生きていればその娘さんは私と同じ年頃のはず。
周りの人の接し方次第でその娘さんはもっと生きていたかもしれないのにと思うと、この娘さん同様お母さんも気の毒だ。20年も前にはまだ、ドメスティックバイオレンスが社会認知されていなかったことも原因ではあるが、だからといってお母さんを責められないのは、私たちも様々な場面で良かれと思って励ましたり、背中を押し続けたりしてるような言動がたくさんあるからだ。
子どもに対しては、他人から甘やかしていると思われたくないという思いで、厳しく接している親も多いと思う。自分の体験も含めて、周りの親の姿を見ていて感じる。無責任に甘い親がいるのも確かだが、真面目で一生懸命な人ほど子どもを追い詰めているように思える。物質的に豊かな社会になったが、生きづらくなっている社会であることも否めない。
真面目に頑張りすぎる人には「無理しないで」とどこかで息がつけるようにしてあげられればいい。それができるのが家族なんだろうけど。「頑張って」を言い過ぎなければ、死へ急ぐ人を引き止められるかもしれないと思う。
投稿者:nanaya at 17:03
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