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臼田歯科医院 院長 臼田篤伸
どうしてカゼは夜ひくの?ウイルスと体のメカニズム
「あ、体の調子が悪い、カゼをひいたようだ」と気付くのは、夕方以降に多いと思いませんか? これには、人間の自律神経のメカニズムが大きく関係します。
カゼとは上気道の感染症のひとつ。鼻カゼは外出中、あるいは家の中でライノウイルスに感染して引き起こされます。日中、人間の体は交感神経優位になり、アクティブな状態になっています。この時間帯に感染してもウイルスに対する免疫系が抑制されていて体はそれをとりあえず放っておいて普段の活動に集中しています。ところが、夕方、副交感神経が優位になると、ウイルスの免疫系が活性化します。この段階でウイルス感染に気付いた体の免疫系は慌ててそれに反応し、一気に白血球の中のリンパ球を活性化させるため、その急激な反応が症状となって表れるのです。インフルエンザウイルスの場合には、さらに感染力、増殖力ともに強力なので、それに対する生体反応も激しくなります。高熱が出て体の節々が痛むなど、つらい症状が表れます。
カゼをひくのは夕方から夜の間。朝起きて何もなければ、昼に具合が悪くなることはないのです。
寝ている間の簡単な対処法でカゼは予防できる
カゼ対策には第一にウイルス感染しなければよいのですが、普段の生活の中で、外出を避けたり、家族に会わないようにすることは難しいもの。すると多かれ少なかれどうしてもウイルスの危険にさらされることになります。カゼウイルスは上気道の、主に鼻の粘膜に、インフルエンザウイルスはさらに奥まで感染し、増殖しますので、それらを洗い流してしまうことは容易ではありません。たしかにうがいはある程度有効なのですが、さらにさらに効果を上げるために、私は温かいお茶を口に含んでぶくぶくさせてからゴックンと飲みこんでしまう方法をすすめています。感染力、繁殖力ともに強力なインフルエンザウイルスであっても胃の中で強い酸性の胃液にさらされれば、ひとたまりもありません。
なるべく感染しないようにするのにこしたことはありませんが、もらったウイルスは胃の中へ送って殺してしまう、この2つでカゼの発症をかなりの部分抑えられます。そして先ほども述べた通り、カゼのウイルスは夜寝ている間に繁殖しますので、最も大切なことはその時間帯のカゼ予防。
これにはぬれマスクがもっとも効果的。お湯でしぼったマスクを口の上にだけ装着して休みます。乾燥した空気に水分を与えられ、それを吸い込むことによって上気道が乾くのを防ぐのです。
また、枕元には温かいお茶を入れたポットを常備しておきます。夜中、目が覚めたときにブクブク、ゴックンすれば、上気道がきれいになるだけでなく、食道を通るお茶が、それに隣り合った気管を温め、せきを鎮めてくれます。
もうひとつ心がけたいのが鼻呼吸。鼻呼吸によって運ばれる酵素は鼻粘膜やのどの交感神経を刺激することがわかりました。カゼの急激な発症を避けるためには、ぬれマスクによって鼻呼吸を促進させ、上気道の交感神経をある程度刺激するとよいのです。
薬を否定するわけではありませんが、使うなら症状がきついときに限ること。症状が治まったら服用を控えるなどけじめをつけたほうが体のためにも安心です。何より、普段の生活習慣を規則正しくすることを心がけてください。
ぬれマスクとお茶でカゼ対策はバッチリ!
寝ている間のぬれマスクとお茶のブクブク、ゴックンでカゼ退治。お茶は、麦茶、ほうじ茶など、カフェインの少ないものを選んで。また、カゼのひき始めから終わりまで、鼻づまりのときにはお風呂が有効。入浴すれば鼻の通りがよくなり、鼻呼吸が促され、交感神経が刺激されて気分がスッキリするのです
(1010誌第53号より)
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