★阿修羅♪ > 不安と不健康10 > 569.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
先日「ためしてガッテン」を見た。その番組の中で、ピロリ菌は胃ガンの原因となると紹介されていた。
「でも、ピロリ菌を持っていても、胃ガンになる確率は1〜2%しか上がらないので、わざわざ検診に行って、菌を取り除くということまでする必要はありません」
あ、そうなの?と思っていた。
50代だとピロリ菌の保菌率は80%を超えているのだ。
原因はよくはわかっていないけれど、衛生状態と関係があるらしい。
上水道の普及率が低かった世代ほど、保菌率が高いのだ。
僕は地下水を毎日飲んでいる。大丈夫なのだろうか…。
先日、たまたま講演を聴く機会があって、お医者さんがピロリ菌のことを話していた。
話を聞いて、びっくりしてしまったのだ。
「ためしてガッテン」とは言っていることがかなり違っている。
まず、驚いたのは、ピロリ菌の保菌者は、医者に行けば、なんと9割の確率で除菌できるそうなのだ。
胃の中はpH2の強酸である。でも、ピロリ菌は胃の中でも生きていくことができる。それはなぜか。ピロリ菌はアンモニアを体内から出して膜を作るから、死なないのだ。
このアンモニアがやっかいで、胃壁を痛める。萎縮性胃炎を起こし、それが、胃潰瘍やガンになりやすくしてしまうのである。
これまで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍は再発しやすいと言われてきた。ところが、ピロリ菌の除菌をすると、ほとんど再発しなくなるというのである。
では、どうやって、除菌をするのか。
抗生物質を2種類飲み、胃酸の分泌を抑える薬を合わせて3種類の薬を一週間服用する。
これだけである。
そして、一カ月くらいたってからピロリ菌がいないか再検査をするのだ。なぜ一カ月たってから検査をするのかと言えば、薬を一週間服用すると、ピロリ菌は死んでしまうか、仮死状態になる。
ピロリ菌の種類や、体質によって、残念ながら、10%の人のピロリ菌は駆除できないのだそうだ。
すぐに検査してしまうとほとんど「陰性」になるので、検査をする意味はない。一カ月たつと「仮死状態」だった場合のみ、ピロリ菌はまた活動をはじめるので、検査でわかるのだそうだ。
また、もうひとつ、興味深いことがある。
それは、ピロリ菌は、若者くらいまでの胃には感染するのだけれど、年を取ってしまうと、胃は完成してしまい、ピロリ菌には新たにはほとんど感染しないというのである。
つまり、一度除菌してしまえば、胃潰瘍や胃ガンにかかる可能性は、ぐっと減ってしまう。
それから、今の地下水はポンプでくみ上げているので、かなり水質がよく、昔のつるべ井戸の濁った水とは異なるので、ピロリ菌に感染する率はぐっと小さくなるのだそうだ。
地下水を飲んでいるからと言って、今の衛生状態では、ピロリ菌には感染しにくい。
結核やC型肝炎が、徐々に過去の病気となっていくように、ピロリ菌に感染する人は、日本では今後、どんどん少なくなっていくというのだ。
現在、ピロリ菌の検査や、除菌は、胃潰瘍などの病気に連動した診療でないかぎりは、保険の適用がないのだそうだ。
もし、ピロリ菌を除菌する構成物質を成人が全員、一週間飲めば胃潰瘍、胃ガンにかかる人は劇的に減り、国民全体の医療費もかなり減るだろう。
実際、大企業の中には、(従業員が胃ガンや胃潰瘍になって、企業負担が増えるよりは、抗生物質を飲んでもらった方が、ゆくゆくは費用もかからず、大切な従業員を失わずにすむ)という考えから、従業員にピロリ菌の除去のため、抗生物質を飲ませているところもあるのだそうだ。
ところが、今のところ、保険適用の診療ではないのだ。
それはなぜか。
医療機関へのアンケートによれば、本音を回答してきたところもあった。
「胃潰瘍やガンになってもらったり、再発してくれた方が、病院は儲かる」
抗生物質を一週間飲んで、90%の人の胃のピロリ菌が除菌されてしまっては困るというわけだ。
「試してガッテン」を見て、ふうんと納得してしまった僕は何だったのだろうと思ってしまった。
60代やそれ以上の人でも、胃の調子が悪くなくて、きれいな胃をしている場合がけっこうある。ピロリ菌に感染していなければ、高齢でも丈夫な胃を保つことができるのだそうだ。
僕も、胃はあまり強くないので、いったいピロリ菌の検査や除菌にいくらくらいかかるのかなあと興味がある。
どなたか、お金に余裕のある方、除菌に行ってみませんか?
投稿者:Jun Rajini at 23:16
ライトバック
患者がいないと病院は・・・
気持ちはわかりますが、ひどい話ですね。
投稿者: manbow at 2005 年 10 月 14 日 02:37:13
manbowさん、こんばんは。
どうやら、ピロリ菌の除去の方法がわかったのは、最近のことらしいので、講師の先生はちょっと大げさに言われたのかもしれません。
でも、効果的な除菌方法があるのですから、早く保険診療ができるようにしてほしいものです。
「成人式の日に、抗生物質を渡して治療させてしまえば、ピロリ菌の感染者は激減する」とも言われていました。
結核やC型肝炎は、新たな感染者はほとんど出てこない状況になっていますね。
結核やC型肝炎の治療法について研究している人たちの仕事は、徐々に無くなっていくのだそうです。
予防法が確立され、新しい患者がいなくなって、既存の患者がすべて亡くなってしまうころには…。
だから、あと数十年たてば、ピロリ菌研究者たちの仕事もなくなってしまう(他の分野での研究をしていくのでしょうけど)のです。
でも、現に感染している人たちを放置して、病院の「お客」にしていくことは、おかしな話だと思います。
僕も胃はあまり強くない方です。高校時代から弱くなりました。僕が住んでいる辺りは地下水なのと、高校2年の時に食中毒になってしまったことが関係しているのかも。小学生の頃は、登下校の時にのどがかわいたら、「すみませーん、水飲ませてくださーい」と言って、水を飲んだものです。ちょっと赤土が混じっていることもありました。
投稿者: Jun Rajini at 2005 年 10 月 14 日 03:37:55
そういえばピロリと胃の疾病を
関連づけたドクターが賞を貰ってましたね.人の健康を守る立派な発見の一つだと思います.
投稿者: Ritchie at 2005 年 10 月 14 日 05:34:16
>Ritchieさん
こんにちは。このピロリ菌が悪さをすることを証明したり、除菌の方法を開発した人は、すばらしいですね。
>はなゆーさん
トラックバックありがとうございます。
「ピロリ」ってかわいい名前ですよね。
語源は、菌が発見された場所、胃の幽門部を意味するのだそうです。
http://www.mill.co.jp/library/stoandint/pirori/
幽門部とは、胃から十二指腸に続く部分、つまり胃の出口付近の場所のことです。胃潰瘍や胃ガン、十二指腸潰瘍などの多発部位とされています。
ピロリ菌の発見自体は1980年代で、20年以上も前のことなのだそうです。
発見者は講演者によれば「人間的にはあまり素晴らしい人ではなかった」とのこと。
胃の中は強酸性で菌は住めないとされていました。
胃の中に菌が発見されたとしても、たまたま雑菌が入ったという可能性も考えられます。
そこで、胃の中に菌が住めることを証明するためには、その菌を胃の中と同じような条件の下で培養する必要があります。
この培養に成功した人は、たまたま、ハロウィーンでお休みを取り、5日間研究室をほったらかしにしていていたところ、帰ってくると菌が増えていたそうです。
でも、個人的にはこういう話も、ドラマ性があってけっこう好きです。でも、真面目に研究をしていた人たちにとっては、嫌なんでしょうね。
母によると、化粧品の訪問販売員が、
「もうすぐ、歯茎に塗る、ピロリ菌を殺す薬ができますよ」と言っていたとのこと。
どれくらいの値段になるのかわかりませんが、病院での除菌に医療保健が下りない現状だと、高い値段設定になりそうな感じがします。
例えば、スギ花粉症の治療法として、副作用が少なく、効果もかなりあり、何より、注射をしなくていいので注目されています。ところが、これも保健がきかないので、薬局などでスギ花粉入りのエキスが6000円くらいで売っています。高すぎて使用する気もしません。
投稿者: Jun Rajini at 2005 年 10 月 14 日 10:18:26
▲このページのTOPへ HOME > 不安と不健康10掲示板