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虫歯退治に3種の抗菌薬 削らず詰めず塗って待つ
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20050711ik15.htm
宮城県の主婦(30)は、虫歯が痛み、特に冷水を飲むと、しみるように強く痛んだ。ところが、近くの歯科医院でエックス線検査を受けても、虫歯は見つからない。それでも痛みは治まらないため、仙台市泉区のタクシゲ歯科医院で、抗菌薬を塗る治療を受けた。「3Mix(ミックス)―MP法」と呼ばれ、ほとんど歯を削らずに済んだ。1週間後には痛みが消え、冷水にしみる痛みも軽減。3回の通院で治療は終了した。
虫歯は、口の中にいるミュータンス菌など様々な細菌が、食べかすなどから酸を作り、酸が歯を溶かすことで起こる。虫歯部分にはびこる細菌を退治すれば、歯を削らずに虫歯の進行を抑え、歯の持つ自己修復能力により、元の歯に戻すことができる。
これが「3Mix―MP法」による治療の考え方だ。細菌を殺す3種類の抗菌薬と、薬剤を浸透させる軟膏(なんこう)などの頭文字をとってこう呼ばれる。
この治療を確立した一人、タクシゲ歯科医院長の宅重豊彦さんは「悪さをする細菌を除き、生体の回復力に任せるのは内科では当たり前の治療法。それが歯科領域にはなかった」と話す。
歯は、表面の硬い「エナメル質」、その下の「象牙(ぞうげ)質」、血管や神経が走る「歯髄」の3層構造。虫歯がエナメル質にとどまっているうちは、痛みはないが、象牙質まで進行すると痛みが出ることがある。象牙質は「象牙細管」という細いチューブが集まってできていて、歯髄の神経につながっているからだ。
象牙質に達した虫歯の治療では、虫歯で色が変わった部分を削り、そこを消毒液で殺菌して金属などをかぶせるのが一般的だ。しかし、細管に潜む菌まで完全に殺すことは難しく、しばらくたつと虫歯が広がり、再び歯を削るケースが多かった。
3Mix―MP法は、この弱点を克服する手法。虫歯部分に抗菌薬を塗り、樹脂などでふたをすると、薬で細菌が死滅する。虫歯で破壊された部分にカルシウムが沈着し、約1年後には象牙質部分が元のような状態に回復
する。
一度処置すれば抗菌効果は長期間続く。宅重さんによると、歯髄まで達し、通常なら歯髄を抜く治療が必要な重度の虫歯でも、1か月後には9割以上はほとんど削らずに痛みが消えたという。虫歯は削って治す、という従来の常識を一新する手法だ。
この治療で使う抗菌薬は、メトロニダゾール、ミノサイクリン、シプロフロキサシンの3種類。新潟大大学院医歯学総合研究科教授の星野悦郎さんが、この3剤の組み合わせが無菌化に有効であることを発見した。
宅重さんは、この3剤に軟膏のマクロゴール(M)とプロピレングリコール(P)を加えることで、歯の中への抗菌薬の浸透性が高くなることを突き止めた。
いずれの薬も内科などで使われており、使う量は微量なので安全性には問題ないという。保険適用されないが、薬剤費は歯1本あたり4〜5円で、患者の負担は従来の虫歯治療と変わらない。
「削って詰める」が基本だった歯科治療に転換を迫る治療法だけに、学界から当初は反発があった。宅重さんは、これまで約2500人の歯科医師に、この新治療の実習を行い、普及に努めている。(科学部・木村達矢)
3Mix―MP法を 行っている主な歯科医院
牧歯科医院(青森市)
(電)017・775・8881
タクシゲ歯科医院
(仙台市)
(電)022・373・5695
大河原歯科医院
(山形県天童市)
(電)023・653・2206
煙山歯科(東京都目黒区)
(電)03・3716・0851
寺西歯科医院
(愛知県大治町)
(電)052・443・0961
トヨシマ歯科(大阪府島本町)
(電)075・961・0418
くき歯科(大阪市)(電)06・6561・6480
岸保歯科クリニック
(広島県府中町)
(電)082・286・1200
かいで歯科医院
(広島県廿日市市)
(電)0829・32・1777
戸高歯科医院(大分県佐伯市)
(電)0972・45・0841
(2005年7月11日 読売新聞)
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