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2005.7.25 【DDS学会速報】
「吸い込むインスリン」治療を実現する経肺投与システム
インクジェットプリンター技術を応用、キヤノンが開発
http://medwave.nikkeibp.co.jp/regist/medi_auth.jsp?id=0/mdps/387704
キヤノンは、同社のインクジェットプリンターに採用している「バブルジェット」技術を応用した手のひらサイズの経肺投与システムを開発した。他社との連携に向け検討を進めている段階だという。インスリンなど様々なたんぱく質医薬品は、患者の負担軽減などのメリットがあるため、開発競争が激しさを増している。印刷で培った技術を活用したキヤノンのシステムが、どの程度優位性を示していくか、今後が注目される。成果は7月23日に長崎県佐世保市で開催された日本DDS学会で発表された。
キヤノンが開発したシステムは薬液をカートリッジに詰めて、バブルジェット技術で霧化して吸入するもの。カートリッジには吐出ヘッドがついていて、微小なヒーターで薬液を加熱して発泡させ、その圧力を利用して液滴を吐出する仕組みだ。バブルジェット技術は加熱操作を伴うが、生体に利用経験のある物質を添加剤として利用することで、変性、凝集、沈殿することなく治療用たんぱく質の投与にも利用できる。
ヘッドはμm径のノズル列から構成されており、3μm径で0.014pL以上の薬液を放出できる。ノズルの大きさで液滴サイズを1μmから20μmまで制御できるという。そしてノズルの数、放出時間、周波数で放出量が制御できるとしている。液滴の粒子径の変動が非常に小さいのも特色だという。
カートリッジの薬液タンクは使いきり型で、充電池で駆動するものだ。圧力センサーによって呼吸との同期も可能だという。投薬履歴などをデジタルデータでメモリーに保存することもできる。
ラットにインスリンを投与して血糖値の変動を見る実験を行ったところ、開発したシステムで投与すると、皮内に投与した場合と同様の変動を示し、インスリンが作用していることを確認できた。また、幅広い分子量のたんぱく質の放出ができるという。
キヤノンは、今後、経肺投薬の効率の確認、薬剤の選択などを進めていく計画だ。(横山勇生)
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