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エイズ新薬開発、体内ウイルス「激減」 熊本大教授
2005年07月06日06時10分
http://www.asahi.com/life/update/0706/004.html
副作用がほとんどなく、従来の薬が効かなくなった人にも効果の高いエイズ新型薬を開発したと5日、熊本大の満屋裕明教授(内科学)が神戸市で開かれたアジア・太平洋地域エイズ国際会議で発表した。細胞に入り込もうとするエイズウイルス(HIV)を入り口でシャットアウトするこれまでにない働きを持つ。現行の薬は、耐性ウイルスができて、早ければ数日で効かなくなるが、新型薬は耐性ウイルスが極めてできにくいという特徴もある。製品化されれば、治療の新たな切り札として期待される。
同教授によると、コードネーム「AK602」というこの新薬は、細胞の表面にあるCCR5というたんぱく質にくっつく。このたんぱく質は、HIVが人間の細胞に入り込む入り口。ここに異物がくっつくことで、ウイルスは細胞に入れなくなる。
米国のエイズ患者計40人を対象に臨床試験を実施。1日2回、1回600ミリグラムを10日間のんだ結果、ウイルス量が平均約100分の1に減り、600分の1まで減った患者もいた。副作用は、便が軟らかくなった人がいた程度だった。
AK602は、CCR5の全体ではなく、HIVの入り口部分を選んでふさぎ、人間にとって必要な働きをする部分はあまりふさがない。さらに、従来の薬がウイルスを攻撃するタイプなのに対し、新型薬は人間の細胞に反応する。このため副作用が出にくいという。また、今回対象にした40人のほぼ半数は、薬のほとんどが効かなくなった多剤耐性エイズの患者で、この人たちにも大きな効果を示したことになる。
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