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2005.7.5
自殺未遂患者では、初回企図例で8割が、複数回企図例でも7割が睡眠不足を自覚していたことが分かった。日本医科大学の伊藤敬雄氏らの調査で明らかになったもので、7月1日、一般口演で発表した。
自殺予防という視点から、睡眠不足がどれだけ影響を与えているのか調べるため、伊藤氏らは、2003年8月から2004年12月までの間に、日本医科大学多摩永山病院の高次救命救急センターに入院した自殺企図例347例(男性117人、女性230人)を対象に、自殺企図1週間前の睡眠状態を調査した。初回例134例(男性54人、女性80人)と複数回例177例(男性38人、女性139人)で比較検討した。
背景としては、初回例の平均年齢は25歳(18〜79歳)、複数回例は31.2歳(16〜69歳)で、いずれも若い年代が中心だった。診断は、初回例では、適応障害が46%、気分障害圏が34%、不安障害・身体表現性障害が13%、統合失調症圏が6%だった。一方、複数回例では、不安障害・身体表現性障害が36%、適応障害が33%、気分障害圏が16%、統合失調症圏が15%だった。
初回企図例で84%が、複数回企図例で72%が睡眠不足を自覚していた。また、悪夢を頻回に見た症例は初回例で65%、複数回例で43%に認められた。初回例の52%、複数回例の89%が、就寝前に睡眠導入剤や安定剤を使っていた。
睡眠時間は、初回例で4.6時間、複数回例で5.7時間と、いずれも成人に理想とされる8時間を大きく下回っていた。
入床時刻は、初回例が25.2時、複数回例が26.3時だった。睡眠潜時は、初回例が1.5時間、複数回例が0.9時間だった。中途覚醒は、初回例が1.8回、複数回例が2.4回だった。
これらの結果から、伊藤氏らは、初回例については、「適切な薬物療法の実施、および服薬指導が必要」と結論づけ、「適応障害とともに気分障害圏が多いことから、精神疾患に基づいた睡眠の改善を図るべき」と指摘した。また、複数回例については、「治療の中で睡眠状態の再評価が必要」と指摘した。
その上で、「睡眠障害に着目し適切に対応することは、その背後にある精神疾患の発見、治療につながりうるので、精神症状の悪化を事前に食い止め、ひいては自殺行動を減少させることにつながる」(伊藤氏)と考察した。(三和護、医療局編集委員)
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