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もう不治の病は存在しない!?
ガン、エイズ、心臓病をはじめとする数々の難病を99%以上の確率で癒してしまうワクチンが既にこの世に存在する。そう聞いたら、皆さんはどう思われるだろうか? そんな馬鹿なことがあるのかと信じられないに違いない。
もしそんなワクチンが存在したら、病に臥せる人々の数が激減することになり、なんとも喜ばしい事である。ところが、それは、医師、病院、薬の必要性が圧倒的に少なくなることをも意味する。つまり、医薬品業界にとっては大打撃であり、多くの人々が職を失い、大量のホームレスが生まれる等、世界中に計り知れない変化を与える事になる。
オーストラリアの医学博士サム・チャチューワ氏は、そのような大発見をしてしまったが故に、大きな災難に見舞われることとなった。
1995年夏、チャチューワ博士は、過去15年間の研究が報われ、人生において最も輝かしい体験をする予定であった。その10年以上も前に、彼が開発した療法とワクチンは完成していたが、まずは自分の研究成果を医療関係者に伝えるために世界中を回り、事前に医療機関で臨床実験が行われる必要があった。アメリカのコロラド大学、UCLA、そしてシーダース・サイナイ・メディカル・センター(CSMC)では、他のいかなる治療方法でも効果を上げることの出来なかった患者に対して、彼の開発したワクチンを投与する臨床実験が試みられた。
結果は、99%以上の患者にすぐに効果が現れる、驚くべきものであった。その実験に関わった医師達は皆興奮して、チャチューワ博士の開発したワクチンの奇跡的効果に感激を露にした。自分の開発したワクチンの効果を一流の医療機関で確認して、自信を持ってオーストラリアに帰国したチャチューワ博士は、世界に向けて、まさにその成果を発表する段階であった。
ところが、突然のようにテレビや新聞のインタビューはキャンセルされ、これまで好意的に彼の研究を支持してきた医学者達が態度を急変させた。彼は自分の研究成果を追検証する医療機関に10万ドルの資金提供を申し出ていたにも関わらず、どこの医療機関も彼の研究を取り上げる計画を取り止めてしまった。オーストラリア医学協会の者達は、明らかな嘘を付く詐欺師であるとして、チャチューワ博士を非難し始めた。また、彼の研究を協力していた医学者達ですら態度を一変させて、共同研究の継続を拒否してきたのだ。
チャチューワ博士の研究は、現在の医学界においては常識を逸脱したアプローチであり、その驚異的な効果は医薬品業界を揺るがすものであったのだ。
では、そのチャチューワ博士の研究成果と未曾有の一千万ドル訴訟の行方を紹介することにする。
ガンに冒された父親を救いたい!
18歳の少年の閃き
癌に関して学んでいったサムは、ある現象に関心を持った。どんなに悪性でも、ある器官・組織は癌の攻撃に抵抗力を示すことである。それは小腸である。小腸だけは、癌の拡大に抵抗力を示すばかりか、癌を進展させることがほとんどないのである。小腸はパイアー斑と呼ばれるリンパ組織の小節で自らの免疫保護力の恩恵を受けている。おそらくそれが癌の進行と腫瘍の拡大を妨げるものと考えられる。
サムは考えた。胸腺は脊椎動物の免疫機能に重要な物質を分泌する内分泌腺であり、ヒトの場合は首の付け根に近い胸部にある。しかし、例えば鳥の場合、免疫を司る器官は胸腺ではなく、未発達状態の腸内にある。ヒトの免疫のこの部分は、進化の過程で、不公平にも退化して譲り受けてきたのであろうか?
他の動物にとっては命取りとなる病気に対して、ある種の動物達は完全なる抵抗力を示す能力は、ヒトの小腸が示す免疫能力と関連付けられる。例えば、HIVの場合、人間にだけ感染し、死をもたらすものである。実験を行ったほとんどの動物達は、その感染を退ける抵抗力を持っている。それでは、どうしてエイズに対するワクチン生成のために、動物の免疫反応を利用しないのだろうか?
薬学が未発達の時代には、医者達は、狂犬病、灰白髄炎、天然痘や他の伝染病等の治療に馬の血清を用いていた。どうして今日でも同じ理論を用いないのだろうか?
サムは、それを応用しようと試みた。過去の治療法においては、ウィルスの突然変異という問題が見られたが、彼はそれを解消し、動物の持つ抵抗力を人間に移植して完全なる治癒を実現するワクチン開発を考えたのである。サムは1984年にメルボルン大学医学部を優等で卒業して、正真証明の医者になった。そして、動物の免疫反応を利用するという独自のアプローチは、動物実験においても、人間に対する臨床実験においても、注目すべき成功を収めていった。
自発的消失現象と癌のミステリー
これまでの歴史において、癌のように、通常ならば治るはずのない病気が、奇跡的に消失してしまうという、常識では考えられない現象がいくつも報告されている。チャチューワ博士はそのような現象に興味を持って調べてきた。突然のように病気自体が自発的に消失してしまう奇跡のような現象である。多くの科学者達は、ある病気に掛かっている際に、別の感染が起こり、それが癌細胞を破壊する能力を有していたのだと結論付けた。
そこで、癌組織を殺すためにウィルスやバクテリアのエージェントが使われてきた過去がある。その攻撃的な感染により、一時的に癌を抑制する効果がしばしば見られたが、時に強烈な病状がしっぺ返しに現れ、患者たちは死亡するケースが多かった。このような試みは期待に応えるものではなかったが、大いなるミステリーを投げかけるものであった。
過度に熱心な医者達は、普通の人であれば死に至らしめる天然痘、マラリア、脳炎や他の感染症のウィルスを癌患者に投与したが、彼らがその感染によって死ぬケースはほとんど無かった。癌患者達は、それらの強烈なウィルスの攻撃に対して、自らを守ることができるのである。また、白血病の場合、子供が麻疹に掛かると、そのウィルス粒子が白血病細胞の内部に見られるようになる。3週間以内で、発生した麻疹に対抗する抗体が、麻疹のウィルスとすべての癌(白血病)細胞を破壊してしまうのである。
統括する要因は、癌が発病している間に、病気に対する免疫反応を効果的に発動させる患者自身の能力にあるようであった。
そして、数年に渡る動物実験を繰り返した後、チャチューワ氏は、癌は洗練された免疫学的メカニズムを持つことを突き止めた。癌細胞は生体をその母体内で被包し、その細胞と取り込まれたものを破壊するために、抗体を発することになる。体が打ち負かす事の出来ない感染がみられれば、癌細胞はそれを被包しようとして急速に成長しようとする。しかし、感染を受けた生体を注入すると、単純に癌が広がることはない。癌細胞は広範囲に抗菌・抗ウィルス性のエージェントを発生させるが、その中には、HIVに対してさえ効力のあるエージェントも含まれるのである。
IRT(Induced Remission Therapy = 誘導消失療法)
偶然なのか、そもそもそのようにデザインされているのか、癌やエイズのような病気の細胞は、容易に冒され、蔓延る遺伝子的・代謝的構造を持っている。もし患者の免疫反応が適切に評価されれば、病気はそれ自体を破壊に導く抗原を発生させることが出来る。単純に投与すれば、1つの癌細胞は健康な細胞よりも遥かに異なる遺伝子情報を発生させるようになり、それ故に様相を変化させ、細胞とその内部のウィルスを刺激して免疫学的に多量の免疫細胞に注意を向けさせるようにする。癌やエイズを効果的に破壊することはできないが、病気に冒された細胞とその元の両方の様相を変えることができる。そして、それらを効果的に根絶させるように、大量の免疫細胞を発生させることができる。病気を、我々が対処可能なものと似た状態にすることで、それを簡単に取り除けるようにするのである。
癌やエイズの自発的消失は、病気に冒された遺伝子を容易に認識・破壊させられるように仕向ける自然の感染に従う。IRTは、細胞治癒を確実にするために、病原性の無い有機物のみを利用し、通常の遺伝子材料を持った細胞であふれさせるというメカニズムを洗練させたものである。ウィルス自体の逆転写酵素を利用した多くのワクチンは、目標であるウィルスのDNA近辺に注射され、駆除される結果をもたらす。
例えば、次のケースは、おそらく最も治療が困難な肝臓癌である。別の場所からの転移で、ひとたび癌が肝臓に到達すると、非常に治療が困難となる。図1は、42歳女性の肝臓のCT画像である。上に丸で囲まれた黒い点は、患者が生まれ持って有する嚢胞である。左側の大きな黒い点が癌である。この癌は、患者には無害な死んだバクテリアの抽出液を使って、ブドウ球菌感染にくっ付けたものである。図2は、わずか2週間の治療で癌が消えたことを示している。
数々の奇跡的治癒の例
図3は激しいウィルスの攻撃に会い、構造的に崩壊の危機のある細胞を示している。ウィルスは細胞質を通して小さな黒い粒子として見ることができる。この細胞は流動血球計算によって分離された部位の代表である。驚くべきことに、患者のプロテアーゼ共生生物は検知不可能なPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を示した。この病気の進行を診断するために共通して利用される技術すら疑うことにもなるのだが、PCRレベルが20万を超える他の患者たちは、細胞内ウィルス粒子の数がより少なく、さらに効率的な免疫反応を示している。
そこで、秘匿されたデータの公表、奪われたワクチン奪取、そして名誉回復のためにも、チャチューワ博士はCSMCを訴えたに至った。
現実には、矛盾だらけのCSMC側の対応が次々と暴露されたばかりか、チャチューワ博士のワクチンのお蔭で奇跡的に癒された患者達が証人になり、彼の信憑性が高まることとなった。判決は明らかであった。傍聴者の中には、病院側を悪魔呼ばわりして騒ぐ人も現れた。結局、チャチューワ博士は勝訴した訳だが、失うものの方が大きかったと言えるだろう。
大変な時間、お金、労力を掛けて開発した、最も効果の大きかったワクチンが無くなってしまい、一から製造を始めねばならない状況になった。開発には少なくとも数年は要する。もっと早い時期に臨床実験のデータが公表されて、チャチューワ博士の研究内容が普及していれば、今なお死者が多数出ている癌、エイズ患者ばかりでなく、その他不治の病を煩う人々の命が救えたはずである。これは、チャチューワ博士個人ばかりでなく、人類にとって甚大なる被害を与えた訳である。そのような意味において、1000万ドルの賠償金程度で済まされる問題ではなかった。チャチューワ博士は、いくつもの裁判を戦い抜いており、今なも他の裁判で、膨大な出費をしている。
チャチューワ博士が体験した災難は、過去に例のないユニークな研究を支持しないアカデミズムの世界と、効果のあり過ぎる治療法を歓迎できない巨大な医薬品業界からやってきた。その証拠に、チャチューワ博士の研究を支持してきた世界各地の医療機関が、突然口を揃えたように態度を一変させ、彼を非難した。当事者同士だけでなく、直接チャチューワ博士と関係の無い医療機関やニュース・メディアが一斉に彼を非難した。また、メキシコの移民局の役人は、何者かに金銭提供を受け、チャチューワ博士を拘留し、脅迫すら行った(のちにその役人は投獄されている)。
どうやら世界中に監視機関が存在し、効果のあり過ぎる治療法の発見や、歴史を覆すユニークな発見が行われると、そのような研究者の信用を落す手段が瞬時に講じられ、専門の研究機関はそれに関わらないよう通達を受ける現状があるようだ。そもそも、医学的大発見のニュースは、必ず大きな医療機関の研究者達からやってくる。チャチューワ博士のように、自らの努力で資金を得て、研究を続けてきた個人の発見がニュースになることはない。大きな医療機関自体が一種の監視機関に成り得ており、そのような機関に所属せずして、世界に研究成果を公表することすら困難な状況が存在するのは、まことに残念なことである。
今我々に必要なことは真実の情報が公開される事である。そして、チャチューワ博士に研究に専念させる環境を与えることである。これが現在最も必要なことであると考えるのは筆者だけではあるまい。
判決
※現在、サム・チャチューワ博士の消息が不明です。どなたか、連絡先をご存知の方がいらしたら、メール頂けましたら幸いです。
http://www.knetjapan.net/mizumori/articles/chachoua.html
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