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「たん」の自動吸引装置 県内の医師ら開発 年度内市販へ動く
http://www.oita-press.co.jp/read/read.cgi?2005=05=22=574863=chokan
世界初となる「たん」の自動吸引装置=写真上=を開発した山本医師=写真下・右=と徳永社長
難病の筋委縮性側索硬化症(ALS)患者など、気管切開による人工呼吸管理が必要な人たちと、介護者の負担を解消する「たん」の自動吸引装置が、世界で初めて大分県内の医師とエンジニアによって開発された。気管にたまる「たん」は二十四時間、人の手による除去が必要だったが、医療環境が劇的に変わる。
大分協和病院(大分市)副院長の山本真医師(50)と、徳永装器研究所(宇佐市)社長の徳永修一さん(55)が開発した。
三個のローラーがチューブ(ゴム)を押しつぶしながら回転。チューブが元の形に戻る際に吸引力が生じる。「たん」は患者の気管に入れる医療器具(カニューレ)と一体化させた吸引路から、持続的に吸い込まれ、排出される。
患者には「たん」による息苦しさがあり、気道内閉塞(へいそく)の危険もつきまとう。このため、介護者が終日「たん」を除去する必要がある。
山本医師が「せめて夜間の吸引を自動化し、家族の負担を軽減できないか」と、徳永さんと一九九九年六月に研究を始めた。
日本ALS協会や日本訪問看護振興財団が支援。厚生労働省も開発を進めるよう要請、科学研究費を補助した。実験や改良を重ね、ことし一月から二月に実施した臨床試験で装置の無効判定は一例もなかった。
国内の特許を申請中で、米国や欧州の特許取得も目指す。薬事法による医療機器承認と、本年度内の市販化に向けて動いており、価格は二十万円以下を考えているという。
[2005年05月22日09:02]
待ち望んでいた“夢の装置” ALS医療環境劇的変化へ
http://www.oita-press.co.jp/read/read.cgi?2005=05=22=924458=chokan
自動吸引装置の臨床試験を快諾した野上昭典さんと、介護する妻のひとみさん
「夜間に患者は安眠でき、大きかった介護の負担も軽減される」―。山本真医師(大分協和病院副院長)と徳永修一さん(徳永装器研究所社長)が、人工呼吸器を使う人たちのために、六年がかりで共同開発した「たん」の自動吸引装置。ALS患者や家族は、完成を待ち望んでいた。
大分市の野上昭典さん(55)は開発に協力した一人。二〇〇〇年から人工呼吸器を着けており、自宅で妻ひとみさん(50)が支える。「わたしが協力できるなら」と、臨床試験の被験者となることを快諾した。
昭典さんは文字盤を目で追いながら「自動吸引装置は非常によかった」と感想。「夜間の除去作業がなくなることが最も重要。介護者の高度な技術が要らないので、幅広い人たちの介護が可能になる」。
日本ALS協会や山本医師によると、県内には百三人のALS患者がおり、うち在宅は約三十人。全国には約六千七百人の患者がいる。「たん」の除去に関しては、皆が同じ悩みを抱えているという。
「往診先に六つの目覚まし時計があった。夜間、家族が確実に目を覚ますために、時間をずらして鳴るようセットしていた」。山本医師は吸引の自動化を思い立ったきっかけを振り返る。
「患者が苦痛に感じない方法を探った」と徳永さん。「たん」の安定吸引を目指し、卵の白身やヤマイモを使うなど試行錯誤を繰り返した。「たん」の有無にかかわらず、少量の吸引動作を持続させることに成功した。
夫を介護している大分市の本田良子さん(66)は「夜中に起きなければならなかった。その暮らしを変える画期的な開発」と期待。日本ALS協会県支部は「全国の患者が待っている」と話す。
大分大学医学部の熊本俊秀教授は「装置は患者に優しい上、在宅だけでなく、看護師が少ない夜間の医療施設も助かる」と評価した。
ALS患者に限らず、人工呼吸器を使うすべての患者に有効。市販されれば、世界に需要が広がる可能性があるという。
安全の最優先を評価
金沢公明・日本ALS協会事務局長の話 患者や家族の生活に大きな改善をもたらす朗報。特に安全性を最優先した点を評価したい。一日も早く使いたいという患者はたくさんおり、協会としても研究開発を後押ししたかいがあった。
[2005年05月22日09:07]
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