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日本植物園協会・絶滅危惧植物対策委員会では、協会加盟園が保有する日本産絶滅危惧植物種の保有状況調査を行いました。その結果をもとに、「維管束植物レッドデータブック」（環境庁編）で「絶滅」、「絶滅危惧」、「準絶滅危惧」として掲載された1835種類の中で、各園が保有している種類の全個体の詳細な情報を取りまとめたデータベースを作成しました。データは加盟園で共有し、調査・研究に活用されます。ここでは調査結果とデータベースのあらましを紹介いたします。データは、2003年2月現在のものです。
回答を寄せられた園を表1に示します。これらの園が保有する日本産絶滅危惧植物種の総件数は、3730となりました。これらの種類数は695で、「レッドデータブック」の対象種類の約38%です。残念ながら日本の植物園での絶滅危惧植物の保全は遅れていることが明らかです。
これらのうち1件のみ栽培されている種類が242、2件が148、3件が69でした。保存件数が3以下の種類は459で、協会加盟園が保有する695種類の約66%を占めます。いっぽう自生地由来の個体は1103件で、加盟園が保有する総件数の約29%となります。各園の絶滅危惧植物種を系統保存している状態も、さまざまな問題をはらんでいることが浮き彫りにされました。現時点で保有していると言っても、多くの種類では基盤が危ういことを示しています。
表2と表3に、協会加盟園が保有している絶滅危惧種、保有していない絶滅危惧種のリストをそれぞれ掲載しました。これらのリストは、日本の植物園が今後、日本に自生する絶滅危惧植物の保全を進めていく際の基準となるものです。保有していない種類が明らかになったことにより、優先して保全をすすめるべき対象をはっきり示すことができ、これらに続くプライオリティを置くべき保有件数の少ない種類も明らかになったからです。
◆表の説明
表1 「日本産絶滅危惧植物の保有状況調査」で回答のあった園（五十音順）
(PDFファイル形式 ８KB)
表2 日本植物園協会加盟園が保有する日本産絶滅危惧植物種（五十音順）
(Excelファイル形式 104KB)
表3 日本植物園協会加盟園が保有していない日本産絶滅危惧植物種（五十音順）
(Excelファイル形式 160KB)
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