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阪神株資金は「農林中金」有力説
「カネはどこから来ているんだ！」――。阪神電鉄株を買い占めた「村上ファンド」に対して、巨人のナベツネ会長がこう吠えていた。確かに「村上ファンド｣の金主が誰なのか、気になるところだが、なんと「農林中金｣（本店・東京都千代田区）が阪神買収資金の半分を出していたという。
「村上ファンド」が阪神電鉄株の３９％を買い占めるために投じた資金は、ざっと１３００億円。わずか半月間に一気に買い集めている。買収額の半分以上を「農林中金」が出していたという情報が一斉に広まっている。民放のニュ―ス番組が報じたのがキッカケだ。
「投資ファンドに運用を委託する場合は通常、運用方法は一任します。スポンサ―は、ファンドがどの銘柄に投資するのか詳しいことは事前には知らされない。しかし『どこそこの銘柄に投資したい』と投資先を告げて資金を集めるケ―スはある。あまり知られていないが、農林中金は世界でも十指に入る機関投資家。５００億〜６００億円程度のカネなら出せるでしょう」（兜町関係者）
確かに、農林中金の運用資金は６２兆円と巨額。全国の農家の預金が４０兆円もあり、有価証券・金銭の信託だけでも４１兆の規模だ。農林中金はこう否定する。
「阪神買収資金の過半を超えるような多額の出資はしていません｣「村上ファンドに出資しているかどうかはいえない｣
証券アナリストがこう言う。
「村上ファンドの運用額は４０００億円。村上ファンドに投資したいという顧客が列を成している状況です。当初は、約４０億円を出資したオリックスの宮内義彦社長が大スポンサ―といわれていたが、いまでは投資割合も縮小している。村上世彰氏本人は、米国の大学基金や年金基金、中東のオイルマネ―など、約１００社から資金を集めていると正体をあいまいにしています。農林中金がどれだけ出資しているか不明ですが、日本のメガバンクから地銀まで運用を委託しているのは有名な話です」
道理で「村上ファンド｣がなかなかヘタバらないわけだ。
日刊ゲンダイ ２００５ １０ ２０
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