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(回答先: 米コダックの7−9月期、純損失10億ドル [日本経済新聞]【金融関連は増益が多いのに..(笑】 投稿者 あっしら 日時 2005 年 10 月 21 日 02:18:16)
日経ビジネス
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/361586
米国デジカメ市場に異変、コダック快進撃で日本勢の牙城揺らぐ
2005年03月02日 00時00分
日本メーカーの寡占市場と言われてきたデジタルカメラ市場に異変が生じている。米ハイテク市場調査会社IDCによると、2004年の米国のデジカメ出荷台数シェア(一眼レフ除く)は、米イーストマン・コダックがソニーやキヤノンを抑えて、首位に立った。一時はデジカメの普及に乗り遅れ、収益悪化でリストラに追われたコダックだが、2004年はシェアを4.0ポイント上昇の21.9%に拡大させた。10%台で続く日本勢はキヤノンがシェアを伸ばしているが、ソニー、オリンパスは下落傾向にある。
米国の市場規模は日本の2倍以上の約2000万台と世界最大。しかも、成長が止まった日本に比べ、2005年度も2ケタの成長が予想される。その主戦場において、米国の老舗フィルムメーカーが急速に台頭してきた。
同画素数で100ドル以上安い
同社の好調の理由は何か。デジカメ事業を指揮するグレゴリー・ウェストブルック副社長は「顧客の立場になって、使い勝手の良い商品の開発に努めてきた」と強調する。その典型例が「プリンタードック」と呼ぶ印刷機器だ。これは、デジカメの充電器とプリンターの機能を併せ持つ卓上機で、デジカメを置いて、プリンター中央のボタンを押すだけで印刷できる。
パソコンの知識に乏しい人でも簡単に操作できることが評価され、2003年の発売以降、累計200万台以上を販売した。同社はこのプリンターとデジカメのセット販売に力を入れており、これがデジカメ販売の牽引役となった。ちなみに、プリンタードックは同社が特許を持ち、競合他社は容易に参入できない状況にある。
もう1つの理由が、積極的な価格攻勢である。有効300万画素のCCD(電荷結合素子)を搭載した機種が実勢価格99ドル。昨年11月に、同社が発売した製品は、業界の大きな注目を集めた。400万〜500万画素の売れ筋商品でも、キヤノンなどに比べると、100ドル以上安い機種を投入している。これを米ウォルマート・ストアーズなどと組んで、豊富に品揃えしているのが同社の強みだ。所得格差の大きい米国において、価格志向の強い消費者に支持されている。
こうした価格戦略を支えているのが、日本企業の存在である。1980年代に資本参加し、2004年に完全子会社化した、光学機器メーカー、旧チノン(現コダックデジタルプロダクトセンター)は、今やデジカメ開発・製造を支える中核拠点となっている。中国への製造拠点の移管も早く、旧チノンで新製品の試作までを行い、中国で量産するという体制を築き上げた。
また、オリンパスのデジタルカメラ事業を育てた小島佑介氏をコダック本社の副社長として招き(現在は日本法人の社長)、全世界のデジカメ事業の推進役の1人に任命した。
日本で開発、中国で製造
その小島氏によれば、「現在のコダックは、開発部隊の9割を日本に、製造拠点の9割以上を中国に置いている」。日本企業の場合、グローバルに展開している企業でも研究開発拠点は日本に残すケースがほとんど。これに対して、コダックは米国企業でありながら、自前でできないものは、大胆に外部の資産を活用している。もともと欧米では強力なブランド力を持っていたが、そこにコスト競争力が加わったことで、シェア奪取につながった。低価格商品が主体のため、収益的には完全復活と呼ぶにはまだ早いが、デジカメ事業を軌道に乗せつつある。
価格下落の激しいデジカメ業界では、利益を確保できているのは大手の2〜3社と言われる。現に世界シェア4位のオリンパスでさえ、赤字に転落している。旧チノンを活用して復活したコダックの例もあって、最近では日本の光学機器メーカーを、韓国サムスン電子など資金力のある大手総合電機メーカーが買収するのではないかと、業界内ではささやかれ始めている。(ニューヨーク支局 山川 龍雄)