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【米経済コラム】FRB議長、利上げ休止シグナル発信せず−J・ベリー  [ブルームバーグ]
http://www.asyura2.com/0505/hasan42/msg/878.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 10 月 21 日 02:22:39: Mo7ApAlflbQ6s
 


10月20日(ブルームバーグ):グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は18日、東京で開かれた経済団体主催の会合で講演した。このなかで議長は「最近の燃料価格の上昇」が、今後の経済成長の「足かせになることは間違いない」と述べたが、これは利上げ休止のシグナルではない。

  議長が成長の足かせについて触れた一方、燃料価格上昇に伴うインフレの可能性について言及しなかったことから、一握りのアナリストは利上げ休止の可能性を意識した。

  もちろん、ガソリンや暖房油、天然ガスの購入費用が増えれば、消費者はほかのモノやサービスへの支出を減らすことになる。燃料コスト拡大に伴い利益を圧迫された企業は、すでに投資の一部を削っているのではないか。しかし、燃料価格の大幅な上昇によりインフレ圧力は著しく強まっており、金融当局者にとっては、こちらへの対応の方が急務だ。

  これは、連邦公開市場委員会(FOMC)が11月1日に開く次回の定例会合で政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を12回連続で0.25ポイント引き上げ、4%にすることを意味する。

  さらに会合後に発表される声明には、12月13日の会合でも同様の利上げの可能性があることを示す内容になる公算が大きい。

            FRB副議長のインフレ観

  グリーンスパン議長が東京で講演した18日、ニュージャージー州トレントンではファーガソンFRB副議長が講演した。副議長は金融政策の決定について、今後も「生産や物価に関する経済データや、われわれのデータ予測に左右される」との見通しを示した。

  ファーガソン副議長は、インフレ圧力が予想以上に高まれば利上げペースを速める可能性がある一方、景気に弱さが見られた場合には「状況に応じて政策を調整する場合もある」と述べた。

  副議長はまた「金融緩和姿勢を『慎重なペース』で解除しているわれわれの現在の政策は、物価安定と持続可能な最大限の経済成長という使命を果たす上で、最も有効だと信じている」と語った。非常に明快なコメントだ。グリーンスパン議長やファーガソン副議長が突然、方針を変える可能性について考える理由など全くない。

             「中立」水準

  18日には、サンフランシスコ連銀のイエレン総裁もユタ州ソルトレークシティーで講演し、金融当局は政策金利を「中立な」水準に引き上げたい考えだと述べた。中立な水準とは、「完全雇用」と安定したインフレ率の維持を可能にする金利水準のことだ。

  同総裁は「現在の中立な金利水準は3.5−5.5%とするのが妥当だと思う」と指摘。「FF金利は3.75%と、このレンジの下限付近にある。このことは、一層の金利引き上げが必要なことを示唆している」と語った。

               成長鈍化

  米経済の余剰資源が低下するなかで、金融当局者は来年の成長ペースが若干鈍化することを望んでいるようだ。ファーガソン副議長は、金融当局のエコノミストの推計を基に、燃料価格の上昇は今年の米成長率を約0.5ポイント、来年の成長率を1ポイントそれぞれ押し下げる要因になるとの見解を示した。

  半面、燃料価格の上昇は、消費者物価全体を押し上げる要因でもある。昨年のインフレ率は、燃料を除いたコア・ベースでも約0.25ポイント、今年は 0.5ポイント以上押し上げられた。

  FOMCが年内2回と来年1月31日の定例会合で0.25ポイントずつの利上げを行えば、FF金利は4.5%となり、イエレン総裁が示した中立な金利水準のレンジの中央に達する。

  その通りになるかどうかは、今後の経済データや金融当局者の解釈にかかっている。ただインフレ懸念が高まっていることを考えれば、現段階ではそうなる可能性の方が高い。イエレン総裁は「受け入れ難いインフレ率の上昇を容認すること」は決して許されないとの考えを表明している。

  FOMC声明の文言が今後どのように変化するのだろうか。FOMCはいずれ、金融政策のスタンスはもはや緩和的ではなく中立になったと判断し、緩和政策を「慎重なペース」で解除する目標は達成されたと判断するだろう。一方で、今後の経済指標がインフレ圧力の高まりを示す内容になれば、金融当局は政策金利を中立以上の水準まで引き上げる可能性もある。

  声明の文言はいずれ変えなくてはならない。金融当局者の間からは、持続的な経済成長と物価安定を達成するための上下方向のリスクを示す簡潔な内容を求める声や、金融政策の方向性を示す文言の継続を求める声、将来の見通しに関する文言の全面削除を求める声が聞こえてきそうだ。

  最終的には、政策方針そのものを決めるより、政策方針を声明でどのように説明するかを決める方が難しい作業になるかもしれない。

(ベリー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Greenspan Isn't Signaling Rate-Increase Pause: John M. Berry(抜粋)

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更新日時 : 2005/10/20 14:12 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html


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