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2005年 10月 18日 火曜日 13:32 JST
[東京 18日 ロイター] 岩田日銀副総裁は、参議院財政金融委員会における半期報告(通貨及び金融の調節に関する報告書)概要説明のなかで、消費者物価(除く生鮮、CPI)の前年比は、年末頃にかけてゼロ%ないし若干のプラスに転じていくと予想される、と述べた。また、潜在成長率を上回る成長が続く中で、コアCPIの上昇率は、基調として高まっていく方向にあるとの認識を示した。
<CPIは年末頃にゼロ%ないし若干のプラス>
岩田副総裁は、CPIの前年比は、規制緩和等に伴う電気・電話料金の引き下げの影響もあって、小幅のマイナスとなっているとしたものの、先行きについては、「米価格の下落や電気・電話料金引き下げといった一時的な要因の影響がはく落していく過程で、年末頃にかけてゼロ%ないし若干のプラスに転じていくとみられる」との見通しを示した。これは、9月金融経済月報以降示している見解と同様のもの。
また、岩田副総裁は、「その後も、潜在成長率を上回る成長が続くとみられ、需給ギャップは縮小を続けることなどを踏まえると、基調として、消費者物価の前年比上昇率は高まっていく方向にある」と述べ、デフレ脱却に自信を示した。
なお、国内企業物価については、「原油価格高騰の影響などから上昇しており、先行きも、上昇傾向をたどる」との見通しを示した。
<緩やかながらも息の長い景気回復を展望>
足元の景気については、「昨年夏以降続いていた踊り場から脱却し、回復を続けている」と述べた。海外経済の拡大を背景に輸出が緩やかな増加を続けているほか、IT関連の在庫調整一巡を受けて、生産も増加傾向にあるという。設備投資は、広範な業種にわたって着実に増加を続けているほか、雇用・所得環境の着実な改善のもとで、個人消費は底堅く推移している、とした。
先行きについては、「緩やかながら息の長い景気回復が続いていく」との認識を示した。海外経済の拡大を背景に、輸出は増加を続けていくほか、国内民間需要も、引き続き増加していく可能性が高いと説明した。
ただ、「高騰を続ける原油価格やそのもとでの海外経済の動向など、景気に対するリスク要因は存在している」と指摘。「十分注意を払ってみていく必要がある」と述べた。
<量的緩和の景気支援効果は高まっている>
量的緩和政策は、1)所要準備を大幅に上回る日銀当座預金を供給、2)潤沢な資金供給をCPIが安定的にゼロ%以上となるまで堅持する、という2つの柱からできていると説明。
そのうえで、量的緩和政策は企業の安定した資金調達に貢献しているとし、「このような金利を通じた景気支援効果は、景気が回復し、企業収益が改善する状況において、強まっている」と評価した。
今後の金融政策運営については、「経済物価情勢を良く見極めながら、適切に政策運営を行っていく」とし、CPIが小幅マイナスで推移している現状では、「約束に沿って金融緩和を続けることで、物価安定のもとでの持続的な経済成長の実現のために、金融面からの支援を行う」と、コミットメント堅持の姿勢をあらためて示した。
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