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(回答先: 中国の二〇〇四年の貿易黒字額は二千七百八十六億ドルと中国政府が公表した四百五十八億ドルの六倍だった 投稿者 TORA 日時 2005 年 10 月 16 日 16:03:55)
● 中国の2004年貿易黒字額2786億ドル(約30兆円)について
米国某コンサル会社:2786億ドル(約30兆円)
中国政府公表:458億ドル(約5兆円)
この数字のどちらに信憑性の軍配を上げるかと問われれば、中国政府公表の458億ドル(約5兆円)である。
米国某コンサル会社は、中国の貿易黒字を独自に算定したのなら、その基礎である貿易相手40カ国との貿易総額も明示すべきだ。
中国の輸出入総額は政府公表通りの1兆ドル弱(100兆円)とそれほど変わらないというのなら、某コンサル会社が算定した黒字額は貿易総額の30%という高い比率になる。
(政府公表の5兆円の黒字であれば、貿易総額に対し5%)
日本の貿易黒字が貿易総額に対する比率でもっとも高かったのは、急激な円高ドル安が吹き荒れた86年の28%である。
04年度の日本の貿易黒字は約14兆円で、貿易総額(103兆円)に対しては13.5%である。
中国の04年度のGDPはおよそ170兆円:
貿易黒字が30兆円であれば、対GDP比で17.6%となる。
これはなんとも驚異的な貿易黒字状況である。
貿易でこれほどの黒字を達成しているのなら、大量の財が国外に出る一方でそのために支払った労賃が国内に供給される少ない財に向かうことになるので、公共投資を行わなくても高いインフレ状況になるはずだ。
(政府公表の5兆円の黒字であれば、2.9%となる)
ちなみに、04年度の日本は、輸出額が対GDPで11.9%で、黒字額は対GDP2.7%である。
中国は原油も純輸入国で鉄鉱石なども大量に輸入している。
それ以上に金額ベースで大きな輸入物資は、機械設備(資本財)や基幹電子部品などの中間財である。
中国の現段階の発展レベルは資本財・中間財・消費財のすべてを自前で生産できるものではないから、金額的に輸出の伸びをリードしているハイテク商品でも「組み立て賃金+輸送費+利益」程度の貿易黒字しか稼ぐことができない状況である。
(ハイテク商品でないものは、元々「組み立て賃金+輸送費+利益」程度しかない)
● 某コンサル会社の算定について
某コンサル会社に“悪意”がなくデータを正しく扱ったとして、30兆円もの黒字がどうして算定されたのだろうか?
「調査には欧州連合(EU)や日本、米国など約四十カ国と、中国の貿易統計を使用」というところにカギがあると思う。
日本以外のEUや米国は、中国が大きな貿易黒字を稼いでいる相手である。
(04年度の対日貿易は久しぶりに若干黒字になったはず)
調査対象国に原油や鉄鉱石の輸入相手であるアラブ諸国・ロシア・オーストラリアなどが含まれていなければ、貿易黒字の割合が高く、それから全体の貿易黒字を推計すると、30兆円といった貿易黒字になる可能性もあるだろう。
(日本・EU・米国で27ヶ国だから、残り国は13カ国前後しかない)
もう一つ、台湾はともかく、香港の取り扱いが気になる。
香港は、中国の輸出・輸入の両方で再輸出の役割を大きく担っている。
ただ香港を通過(通関)するだけの貿易の黒字を別立てでカウントすると、二重計上になってしまう。
ざっと見てみた範囲だが、某コンサル会社が言う04年度の中国の貿易黒字30兆円というのは信じがたいと言わざるを得ない。