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「あんた何回行った」が合い言葉のトヨタ万博が終わった
私も6回行ったけど…… 2200万人!
稲森遊宇
http://www.bund.org/editorial/20051005-1.htm
9月25日、半年間にわたった愛知万博が閉幕した。総入場者数は2200万人を超えたそうだが、実は私も6回も行って、総入場者数押し上げに一役買った一人だ。
万博とかには否定的な私は、地元での開催とはいえ開催前は愛知万博に足を運ぼうとはあまり考えていなかった。それが結局、6回も行くことになったのは、「こんな近くで歴史的なイベントがやっているのだから行っとけ」という父の主張により、我が家では家族全員分の全期間入場券(一人1万7500円)を購入。私もそれを手にしたことが大きかった。
万博がはじまると、私の職場である市場では、子育てが終わった50代ぐらいの世代が、しきりと万博の噂話をするようになった。「万博に行ったけれど、一番人気のトヨタ館は長い列で、とても入れなかった。日立館は入れて面白かった」とか、「隣の大将一家は、もう何十回と行ったらしい」とか。道で出会っても、天気の話ではなく、「万博、何回行った?」「私は○回。あんたあそこのパビリオンに入った?」が挨拶代わりという具合だ。私たち20代は、「どうせ並ぶならディズニーランド」という感じだったのだが、50代を中心とした盛り上がりとパワーに押され、とりあえず見てみようと万博に足を運んだのが最初だった。
今回の万博の特徴は、リピーター率が非常に高かったことだと言われる。確かに、私の6回なんて少ない方で、私の周りにはそれ以上の回数行った人がいっぱいいる。私の両親は15回以上入場を果たし、広い会場の中を地図も見ずにお目当てのパビリオンに行くことができる。開会日数以上の回数入場している人までいるという。
我が家でも家族全員分購入した全期間入場券は44万枚売れたそうだ。1枚当たりの平均入場回数は10回強だった。つまり440万人(総入場者の20%)は地元を中心としたリピーターだった計算になる。私たち地元・名古屋の熱心なリピーターが、万博の盛況を演出する役割を果たしたわけだ。
さらに万博を盛り上げるために、地元の企業や官公庁は、900万枚以上の前売り券を購入。このうち、豊田章一郎トヨタ自動車名誉会長が万博協会長に就任したトヨタ・グループの購入枚数は100万枚を超えたとされる。トヨタなどの地元企業の「組織動員」が、入場者数増大に大きく貢献したわけだ。
愛知万博は、総入場者数2200万人と興業面では成功し、東海地方への経済効果も1兆円を超えたとされる。でもそれって、愛知万博のテーマ「自然の叡智」「人類と自然の共生」といったいどんな関係があるのだろうか。一番人気だったトヨタ館は、確かに「見せ物」としては面白かったが、見終わった後に残った印象は、「自然の叡智」ではなく「トヨタの技術はすごい」ということでしかなかった。
総じて愛知万博では、誘致・企画からパビリオン、観客動員においても、地元「トヨタ」の影響力・存在感はずば抜けたものだった。トヨタにとっても、企業宣伝などの経済効果は計り知れないものだったに違いない。環境万博ならざる「トヨタ万博」が終わった。
(エコアクションなごや)
http://www.bund.org/editorial/20051005-1.htm