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□来年4月スタート 労働審判 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1431796/detail
来年4月スタート 労働審判
突然の解雇や一方的な賃金の引き下げ、配置転換など労使紛争を巡る労働裁判が急増している。03年に地裁に持ち込まれた訴訟は合計2433件と過去最高。バブルが崩壊した91年以降“右肩上がり”の状態だ。先の通常国会で成立した「労働審判法」は、増加の一途をたどる労使紛争の解決を迅速化するため、都道府県の地裁本庁に「労働審判委員会」の設置を定めた。来年4月からスタートする「労働審判」の中身は――。
●1人の審判官と2人の審判員が話し合い、多数決で決める
「労働審判法」に詳しい美和薫弁護士が言う。
「今まで労働者側が民事に関する個別的な労使紛争を解決するには2つ方法がありました。まず全国の労働局などに設けられた総合労働相談コーナーへ持ち込み、都道府県労働局長による助言・指導や紛争調整委員会によるあっせんを受けることです。これを会社側が拒んだ場合、拘束力がないため打ち切らざるを得なかった。次が裁判です。法廷で決着をつけるか和解かのどちらかです。ただ、地裁での労働裁判の多くは1〜2年かかり、その間、労働者側は生活が大変だし、心身の負担も大きい。地裁に新しく設置される『労働審判』は、いわば第3の解決法です」
労働審判委員会は審判官1人と審判員2人の合計3人からなる。審判官は労働裁判を多く手がけた裁判官が務める。審判員は連合など労働組合と経団連など経済団体から1人ずつ選ばれる予定。目下、労組や経済団体などでは、労使紛争の専門家をピックアップする作業(それぞれ100人以上)を進めているという。裁判所では労使両団体から提出されたリストを見て、紛争ごとに労使両側から各1人を選ぶ。2人とも審判官と同じく中立かつ公正な立場で審理・判断する。
この3人が審判の中身を話し合い多数決で決めるのだ。
●審理は最高3回。3、4カ月で決着がつく
地裁に労働審判の申し立てをすると、40日以内に第1回の審理が開かれる。審理は3回まで行われる。審判は審理の席上で口頭で告知されるか、後日、労使双方に審判書が送達される。申し立てから審判が下されるまでは3〜4カ月。通常の労働裁判と比べて短い。
労使双方が異議がない場合、審判の効力は確定する。一方、異議の申し立てがあった場合、審判は失効し、即訴訟に移行となる。
裁判所に支払う審判の手数料は訴訟と比べて約半額で済む。安上がりなのはいいことだ。なお、弁護士費用は別途かかる。
●選択肢が増えたのは朗報だ
決着がつくまで期間が短いうえに手数料も安いのは分かった。では労働審判は本当にサラリーマンの“味方”になるのだろうか。
「労働者側が“解雇無効”を主張し、労働審判に持ち込んだ場合、多数決の結果、仮に解雇が有効となっても、何らかの金銭補償を命じるケースが出てくることも考えられます。審判官と2人の審判員の3人が話し合うことで、世間の常識から大きくズレることなく、労働者側がある程度納得がいく審判が下される期待が持てるはずです。労働審判がサラリーマンには“大きな武器”になることは間違いありません」(美和弁護士)
労使紛争の解決で選択肢がひとつ増えたことは、サラリーマンに朗報と言えるだろう。
【2005年10月6日掲載】
2005年10月09日10時00分